That's(ザッツ)ブランドのテープは太陽誘電株式会社からかつて発売されていた。

ザッツを知らない人も多いと思うが、当時は地味というわけでもなく、広く認知されていた。
正統派な作りだが派手めな音で伏兵的な存在?だったと思う。
一説によるとカーステ用途、女性には人気があったとの情報もある。
それほどデッキを選ばず、バランスの取れたテープだった。
個人的にはTDKに近い扱いやすさがあったと思う。

ザッツ派というのはあまり聞かなかったが、派閥関係なくザッツのテープは広く愛されていた。
ノーマルポジションでも非常に高音質なカセットを多く出しており、外せないメーカーであった
ことだけは間違いない。

そんなザッツもやはり高級テープを発売しており、その最高グレードとなるのがこれだった。

That's SUONO(スオノ)
タイプ:メタル
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パッケージからかなり洗練され、カッコいい。

テープ本体は、
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地味で一見普通っぽいが防振、制振性に優れたハーフらしい。
あまりに地味なデザインだがザッツらしいといえばザッツらしい。

しかし、これはかの有名な工業デザイナー"ジウジアーロ"氏のデザインだった。
ちなみにジウジアーロ氏のデザインは、いすゞの117クーペ、フォルクスワーゲン初代、デロリアンなどなど超有名人。

ハーフ中央部の楕円形はイタリアの史跡コロセウム(大闘技場)をイメージしたとのこと。


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赤いハブがアグレッシブ、このアクセントはキライではない。

どの高級テープにも言えることだが、ハブの回転抵抗が低く、実に滑らかにテープを送れる。
回転抵抗が低いカセットはウォークマンなどの低トルクな機器にはとても有効なのだ。

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ここだけ見るとSUONOだと思えるような特徴がない。

誤消去防止ツメは折り取るタイプなのがとても惜しい。
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他社と比べ、デザイン的な派手さ、インパクトはないが音質はとてもすばらしい。

SUONOはザッツのテープの特徴・技術を全てそのまま総括した感じともいえる。