maxell LN (Low Noise)
1972年~? 60分400円

モデルチェンジの歴史
C-LowNoise-LN-初代UL-UL-初代UR
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マクセル初のカセット「C」の直系とも言える、ローノイズタイプカセットテープ「LN」初代。(にして最終)
前モデルの「LowNoise」はそれが商品名であり、これはLNなので厳密にいうと2代目ではないとも言える。
マクセルのカセットに初めて正式な型名が与えられたという意味では記念すべきモデルである。

マクセルカセットの象徴ともいえる、グラデーションスリットデザインがマクセルであることを主張する。

この当時は各社インデックスカード自体がパッケージデザインであり、シュリンクは透明のものを使用した。
従って、インデックスカードがあればそこに情報が全て入っているということだ。
ジャンクカセットであってもインデックスカードさえ残っていれば、ほぼ完品と言えると思う。
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ケースはブラックと透明の複合。
初期のカセットに多用されたタイプだ。
70年代後半あたりから全透明ケースとなり、シュリンクとカセットでひとつのデザインを形成することになる。
このタイプのケースはミュージックテープでは使用されることが多かったようだ。

それにしてもこのケースはかなり硬くて丈夫である。

2016年に復刻された初代UDはケースも似た感じだが、持った瞬間そのケースの柔らかさに違和感を感じた。
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カセット本体は黄色を基調にした明るくすっきりしたデザイン。
ラベルに直接書き込みするタイプはこれまた初期カセット特有のもの。
80年代に入ってもノーマルエントリーモデルには多く見られ、それもあって安物のイメージしかない。

とにかく書き込みされたら中古としてもコレクターアイテムとしてはアウトだ。

まだ確認中だが、ロット違い?でインデックスカードやラベルの違いがあるかもしれない。
所有する別の個体ではスリット右上に小さくJAPANとの表記があり、それは海外向けのようだ。
海外版はインデックスカードも裏面(書き込みできる方)がわかりやすく違う。

写真は間違いなく国内版であるが、この当時の海外版と国内版の違いは少ない。
後の海外向け製品は日本にない型名やデザインで売り出されたので判別は容易であった。
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リーダーテープのサイドマーク(ABマーク)、走行方向表示、5秒後に録音可能となるキューイングラインは
この段階ですでに採用されていた。
テープ長の違いによる色分けもされているが、80年代の色イメージとは異なる。
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上が国内版、下が海外版。
わかりやすいところだと、海外版はケースの黒色部分がグレー?
多数の個体で確認しなければ言い切れないが。
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テープ窓は初期特有の極小窓でハーフにメモリと数字が刻印されている。
これは60分テープで片面30分、テープは巻き取った状態なのだが、右から数えて30分ということ?
正直見方がわからない・・・
昔はメモリを頼りに1曲早送りとかしてたな。
あと、ウォークマンはテープが見えないモデルも多く、ポケットに入れた状態での早送りは、1から10まで
ゆっくり数えると1曲飛ばせるとか。
ウォークマンの巻き取りが遅いのでゆっくりめに10、デッキは早いので普通に10数えることを未だにやっている。
選曲機能があっても、オーディオマニアならテープがヘッドに接触した状態で早送りするサーチは使わないだろう。

カセットテープを知るうえで、その歴史背景はとても重要だ。
市販のカセット関連の雑誌の年表はどれひとつとして完全なものがない。
自分の知る世代は間違いもわかり、判断できるが、それ以前や90年代はそういう資料をあてにするほかない。

結局は、以下が必要だ。
・実物開封済み
・実物未開封(46,60,90のラインナップが望ましい)
・自分の記憶
・雑誌の情報
・ネットで検索
・観察力とテープ愛

オレはやみくもにコレクションすることは好まない。
特に自分の使った世代のカセットを中心に思い入れとともに必要なもののみコレクションする。
昨今のビンテージカセットの高騰は目に余るものがある。
少し前ならそのカセットの当時の位置づけに適した価格で手に入ったものであるが・・・