今もそうだろうが小学校の低~中学年の頃はギミックの効いたやたらでかい筆箱が流行した。
そのギミックの多さこそステータスだった。

裏表のフタがあいたり、二重底になっていたり、ボタンを押すと鉛筆削りが飛び出してくるなど、いかにも子供が喜びそうなやつだった。

しかし小学校も高学年となると、そういうのは使わなくなり卒業の時を迎える。

そして、入学するのが「缶ペンケース」だった。

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ウォークマンロゴ入りの缶ペンケース5種。
価格はどれも300円。

一切のギミックはなく、ただのシンプルな缶のケースだ。
このシンプルさこそ小学校高学年にふさわしいと当時は思っていた。

使い込めば使い込むほど塗装がはがれていき、みすぼらしくなってやがて何だったのかがわからなくなったものだ。
汚くなってきたらシャーペンの先っぽで塗装を削って直接落書きすることもできた。

そうえば授業中に机から落としてしまい、派手な音とともに中身をぶちまけたことがとても懐かしい。
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ゴージャスなゴールド色。

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黒にターコイズブルーのアクセントがおしゃれだ。

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フランス国旗を思わせるトリコロールデザイン。

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ショートサイズもあった。

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ショートサイズ2。


とにかくシンプルな缶ペンケースであるが、これは中にいれる文具にもおのずと制限がかかってしまう。

一応文房具をセットしてみた。
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缶製なので出し入れの際の金属音軽減のため、スポンジ素材の薄いシートが下に敷かれている。
鉛筆が短くなれば消しゴムも横に入りそうだ。
つまりシャーペンを使うことが前提なのだと思う。
17cm定規はきっちりはいった。

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ショートサイズでは普通の鉛筆も入らない。
シャーペンでギリギリだ。
シャーペンオンリーならこのサイズでも十分ということだ。

分厚い消しゴムは入らないので、ケースに合わせて消しゴムを選ばなければならないし、鉛筆もたくさんは入らないのでシャーペンは必須だった。

これも一時期のブームだったのだろう。

中学に上がる頃にはさらに渋い布製等のジッパー付きソフト筆入れを使っていた。

筆箱が成長の度合いで変化していたのだと思うと面白い。

日本の文房具は世界でもトップクラスのクオリティとバリエーションがある。

当時は今ほど便利なアイテムはなかったが、楽しい思い出である。