今回はCDシングルの保管について。

CDの保管は透明カバーに入れることで、美しく購入時の状態で保管できるというのが「その1」。
元オーディオ小僧 CD保管の流儀 その1

CDのサイズ別に使用するカバーを使い分けるというのが「その2」。
元オーディオ小僧 CD保管の流儀 その2

アルバム用CD同様、シングル用CDも長い年月で様変わりした。

当初は今では見かけなくなった縦長タイプだった。

後に現在でも使用されるマキシシングルサイズが主流となる。

マキシシングルサイズはその2で取り上げているため、今回は最初の縦長のCDシングルを取り上げることにした。

縦長CDシングルはまさにシングルと一目でわかるサイズ感であるが、やがて12cmCDに統一されることになる。
すでに1990年代から徐々に12cmサイズへと移行は始まっていたが、2000年以前はほぼこのサイズだった。


旧CDシングル規格
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※広末涼子「MajiでKoiする5秒前」C/W:とまどい 1997年

縦横:170mm×86mm
厚さ:4mm

これがCDシングルの発売当初のサイズである。

新品購入時は糊付きのカバーに入れられていることが多かった。

何しろジャケットは紙なのでそのままではジャケットが痛むことは必至。

また、出し入れを12cmCD感覚で手軽にできないことは不便でもあった。

そこで当時はシングル用の保管ケースも多く販売されていたのだ。

まず一つ目は、CDシングルと同サイズのケースだ。
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縦方向に開くケースがまず最初に発売された。
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使い勝手は12cmCDのジェルケースそのものである。

ケースに色をつけたカラーケースも時代を彩った。
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ただ、カラーケースだとジャケット本来の色味が変わるのであまり好きではなかった。

装着方法は簡単だ。
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土台部分を固定。
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歌詞カードにあたる部分は開閉時に可動する必要があるため固定されず、挟むだけ。
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使っていて不便なところは一切なかった。
紙ジャケットが保護できるし、取り出しも簡単。

シングル上面の背ラベルにあたる部分はカーブしており、実はこれが拡大鏡のような仕組みになっていた。
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背ラベルの小さな文字が拡大されて見やすくなるということだ。
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かなりお気に入りで持っているCDシングルを全てこれに収納していた時期もあったが、増えてくるとかなりかさばること、また傷や割れでいずれ見苦しくなるのには悩まされた。

何よりシングルを買った後に、このケースでさらに出費が必要なのはどうも続けていくのに限界を感じた。


二つ目は省スペースタイプだ。
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縦長タイプのCDシングルは前の記事にも書いたとおり、小さくできる。
8cm CD用 CDシングルアダプター

この小さい状態で収納するためのケースも発売されていた。
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まさにカセットケースのCD版で構造はよく似ている。

元のシングルは縦長の状態。
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このシングルのように半分サイズでも大丈夫なデザインのジャケットが当時は多かった。

まずは下半分の台座の部分を折りとる。
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次にあらかじめ折る部分にくせがつけられているのでそれに沿って折りぐせをつける。
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ただし、この折りぐせは全てのシングルについていたわけではない。
最後のほうになると無くなり、ジャケットデザインも折ることを想定しないものばかりだった。

台座の下部分(ジャケット裏の下)を手前に折る。
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そのまま巻き取る感じでトレー部分を折る。
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くるくる巻くだけ。
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最後はジャケット表の下部分を折って終わり。
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これで出来上がり。
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あとはケースに差し込むだけ。
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ほぼカセットテープと同じ感じだ。
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装着完了。
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こうすることで半分のサイズで保管することができる。

省スペースなのが最大のメリットであるが、ケースのランニングコストがかかるのは変わらない。
折ることで折らない状態でデザインされたジャケットが損なわれるのはデメリットだった。
さらにこの折った状態ではまず中古で値が付かないのは非常に痛い。

そういう理由で折って保管することは少数派だったのだ。
(オレはかつてこのケースを試したくて1枚だけ折ったことがある)

今は持っていないが、MDのケースのようなスライドケースタイプのものも存在した。

これらケースは正直枚数が増えてくるとしんどくなる。
そもそも現代では手に入れるのが難しいし、一枚やると全部やらないとちぐはぐになるのも難点だ。

そういうわけで現在はどうしているかというと、
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結局は購入時と同じビニールカバーに入れることで落ち着いている。

このカバーはのり面があるので出し入れがやや面倒だ。
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ただ、新品購入時ついてくるカバーはのり面が何度か開け閉めしていると粘着がなくなったり、一度開封したら使えなくなるものもあったので、このケースはその心配がないものだ。

まぁこの旧規格のCDシングルは今後それほど増えることはないので、これで良しとしている。
ケースは安価なので汚れても気軽に交換できる。
また、ある程度汚れたジャケットもこのケースに入れると新品のように見えるのはメリットだ。


さて、CDシングルにも歴史有りではあるが、そもそもの話その歴史も閉じられようとしているのだろうか。

アルバムはともかく、シングル程度ならもうダウンロードで十分な気が、メディア好きなオレでさえしている。
実際、気に入った新曲はダウンロードで済ませることが多くなっている。

たった2曲程度でメディアを作ることも、買うこともなにか無駄な感じがしてならない。

アーティスとしてもメディアという形でシングルを出すならば、かつてのB面分としてもう一曲作らなければ体裁が悪いだろう。

その分ダウンロードであれば渾身の1曲に集中できるし、買う側にしても別に気にもとめないおまけのB面相当曲のために余分なお金を払う必要がなくなる。

効率を考えれば現代シングルの販売方法の在り方は全ての人が幸せになれる状況なのかもしれない。

とはいってもシングルに限らず、ものとして所有するメディアの魅力も捨てがたい。
(音楽はメディア有りきの世代は特に)

音楽を聴くかたちがどうであれ、入り口を選ぶのは個人の自由だ。

ひとつだけ言わせてもらうなら、メディアの存在は人の記憶により鮮明に残るということ。

メディアを買った日のこと、再生した機器、ジャケット、紙の歌詞を追いながら音楽を聴いたこと。

ノンメディアでは味わえない魅力は多い。

それらすべてが、形ある写真アルバムと同様の役割が確実にあるということだ。

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