さくの家電のーと

オーディオ、音楽、家電全般に関する備忘録ブログ

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カセットテープの劣化と対策

古いミュージックテープや昔自分で録音したカセットテープを聴いていると音が悪いなと思うものがたまに出てくる。
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それはもともとの録音が悪い場合を除き、再生環境ではなくカセットテープ自体に問題をかかえていることが多い。
もちろん再生環境は当時と同等またはそれ以上のコンディションであることが前提の話だ。
(カセット世代ならこの理屈はわかるだろう)

もし、これから新たにカセットテープを使おうという若い世代であれば、本来の音を録再するために最低限カセットデッキまたはプロフェッショナルと呼ばれたカセットウォークマンを使わなければその音を正確に評価することは難しい。
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なぜかと問われれば、それはアナログとはそういうものだからだ。

極論ではあるが、デジタルはある程度の再生環境であれば誰もが同じ音を聴くことができるが、アナログは良いシステムであればあるほど音がよくなる(本来の音を再現できる)からだ。

これくらい言っておかなければデジタル世代はカセットやレコードの音をしょぼいと思い込んでしまう。

アナログに関しては、
しょぼい音=自分の再生装置がしょぼい
のだと思ってほしい。

なので、カセットテープの音が悪いと思ったらまずは自分の再生環境を疑うところから始めよう。

もちろん音の悪さの原因切り分けのために、再生機器側(カセットデッキやラジカセ)の事前メンテは必須だ。
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ヘッドのクリーニング、消磁もやっているのにそれでも音が悪いならカセットテープ自体を疑うしかない。

不具合の症状によっては改善できる場合もある。

過去のライブラリを未だカセットで所有していたり、今でもあえてカセットへ録音してライブラリが増え続けているならなおさら、いつまでもいい音で聴くための最低限のカセットの扱い方を知っておくべきだろう。

それではカセットテープの音質を悪くするまたは悪いと感じるいくつかの要因を書き留めておこう。

ドロップアウト
ドロップアウトはテープの経年劣化による磁性体の剥がれ落ちにより、その部分を読み込んだ時に音が一瞬途切れたり、かすれた音になる現象。
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気にならないほどの一瞬の音の途切れからすぐに気づくような音の途切れとケースは様々。
オレの所有するカセットで音が悪いと感じる要因で一番多いのがこれだ。

ドロップアウトがもっとも発生しやすいのはテープの巻き始め(最初の1,2分くらい)が多い。
それはテープの先頭部分ほど外気の影響を受けやすいためだ。
新品の生テープを使用しても年数が経っていれば最初からこの症状が出ることもある。
これらを防ぐため、録音の開始は30秒~1分ほどテープを送るオーディオマニアもいるほどだ。

なお、これと似たような音の聴こえ方でテープをデッキに巻き込んでクシャクシャにしたテープ(ワカメという)を再生したときの音がある。
これは物理的にテープが破損しているので見ればすぐにわかるがドロップアウトは見た目では全くわからない。

また、テープを先頭まで巻きとらない状態で長期間放置した場合、その部分だけにドロップアウトが発生することもあるので聴き終わったら巻き取っておく(透明なリーダーテープまで)のは最低限やっておくべきことだ。
ドロップアウトは対処のしようがないが、予防としてはたまに再生または早巻きなどをして風を通すと発生を遅らせるくらいはできるかもしれない。


転写
テープの無音部分にその前後の音がかすかに聴こえる現象を転写という。
これは録音時の録音レベルが高いことで高確率で発生する。
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例えば2曲目と3曲目の無音部分に3曲目最初の音がかすかに聴こえるという感じ。
CDなどのデジタルメディアでは曲間は実質存在しないのでアナログならではの現象だ。

これは長期保存のカセットによくあるが、録音したてでも録音時のレベルが高すぎると比較的早くに転写する場合もある。
(理屈は違うがレコードでも曲間に音が聴こえることがある)
自分で録音したものなら録り直せばいいが、これは市販のミュージックテープでも発生するのでどうしようもない。
ドロップアウトもそうだが、スピーカー出力では確認できないほど小さい音なのでヘッドホンで聴かない限り気が付かない場合が多い。
自分のカセットにはそんな現象はないと思っていてもヘッドホンで聴けば発生していたなんてことはよくある。

対策としては転写部分を再度無音で録音して上書きすることもできるが、危険なのでまぁやめた方がいい。
(テープカウンターを見ながらやったことはあるが失敗すると悲惨)
しかし、これから自分で録音するのなら、S/Nを稼ぐために調子にのって録音レベルを上げすぎないことくらいだ。
あとはデジタル化した後、無音部分をカットするしかない。


伸び
再生していてテンポが遅いと感じたらテープが物理的に伸びていることも疑うべきだろう。
ただし、これは再生機器側が原因の場合もあるため、他のテープも再生して切り分けたほうがよい。
主な原因は高温となる場所(かつては車内が多かった)での長期間放置。
テープはフィルムなので当然熱に弱く、そのような環境下に置くだけで徐々に伸びていく。
よほど過酷な環境でない限りはそうそう伸びないが、伸びてしまったらもう元に戻すことはできない。

あとは巻き取らず放置するとその部分だけが伸びたり、巻き弛みから起因することもある。
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あえての対策はピッチコントロール付きのデッキで再生すれば調整は可能だ。
(ただし均一に伸びている場合)
大切な録音ならピッチ調整してダビングし直したほうがいいだろう。


カビ、ほこりの付着
得体の知れない中古のミュージックテープを再生していてもっとも悩まされるのがこれだ。
適切な環境で保管していればそうそうカビやホコリがつくことはないが保管状態が悪いとテープ自体にカビが発生したり、テープから剥がれ落ちた磁性紛がカセットデッキのヘッドに付着して音を悪くしてしまうことがある。
これは外的要因なので適切な処置さえすれば改善する可能性はある。

症状としては高音がこもったような音になる、または徐々に音がこもって高音が聴こえなくなる。
テープ自体は一見しても汚れているようには見えない。
しかし再生していくと最初はクリアに聴こえていたのに徐々に高音がこもっていき、ひどい時は音が聴こえなくなることもある。
このようなカセットは1分でも再生するとデッキの再生ヘッドに汚れが付着する。
主に外気の影響を受けやすいテープの最初の方が汚れている場合が多い。
軽度であれば1度再生することで次回は改善するが、それはデッキのヘッドに汚れをなすりつけながら汚れをとっているわけなので、すぐにヘッドをクリーニングしなければならない。

症状を確認したら速やかにデッキ側はクリーニングすればよいが、テープの方はとりあえず早巻きを繰り返すか、それでダメならテープを直接クリーニングする。
クリーニング方法はテープを引き出して水気を切った脱脂綿でテープを軽く挟んで拭いていく。
鉛筆やマッキーを使ってテープを送りながら巻き取れば早く楽にできる。
テープを切らないようゆっくり優しくやるのがポイント。
どうせ音がまともに聴けない劣悪なテープなので捨てるつもりならやってみる、それで改善すれば儲けものと思えばいい。
あまり勧められないが捨てるよりましだろう。
驚くほど音は復活する。
通常ならこれだけで汚れはほとんど落ちるが改善しない場合は再生環境も疑ったほうがよいだろう。
例えば、ドルビーNRの有無、リバースデッキであれば正逆方向のアジマスずれがないかなど。


なお、カセットテープはA面B面とあるが、これは一本のテープの幅を半分ずつ使用して録音するため、これまで挙げた劣化による症状はA面B面の同じ個所で現れることが多い。
(ない場合もある)
例えばテープA面を再生して1分後の部分にドロップアウトが確認できた場合、テープB面の最後から1分の部分にもドロップアウトが発生するということはよくある。


カセットのトラブルは未然に防げる部分もある。

録音時の注意点

転写を抑えるためには録音レベルを上げすぎないこと。
とはいえ、適正な録音レベルでも転写が起きることもあるが・・・

再生時の注意点
使用頻度の低い再生機器の場合、まずは不要なカセットを再生してテープを巻き込むなどしないかしばらく様子を見る。
再生音が遅い、回転が止まりそうと思ったら危険信号、テープを巻き込む可能性大。
再生機器のヘッド周りはクリーニングし、高音がこもってきたらすぐに再生をやめてデッキのヘッドを確認。
再生機器を再度クリーニングし、音がおかしいテープは再生をやめるかクリーニングする。


最後に保管方法について。

カセットの劣化を遅らせるための最低限の注意点
オレの所有するカセットはほとんどが未だまともに聴ける。
これはつまり保管方法がそれほど間違っていなかったということだろう。
(録音済みのほとんどのカセットが30年以上経過している)
なのでどうやって保管していたかがそのままの答えになるんだろう。

別に特別なことは何もやっていない。
・テープはどちらかに完全に巻き取っておく
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 →テープの部分伸びの防止

・カセットテープは付属のケースに入れる
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 →外気、ホコリの混入防止

・ケースに入れたカセットは更にカセットラック(何でもよい)またはダンボールに入れる
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 →2重で外気、ホコリの混入防止

・保管場所はクローゼットの中とかでなく普通に部屋のどこか直射日光が当たらないところ
 →奥にしまいすぎない、ある程度の風通しも必要

・部屋の温度は冬は10度前後から夏は30度前後なら季節まかせでもよい
 →氷点下とか40度以上になると厳しいかも

・湿度については特別な処置はやっていない
 →ケース+ラックに入れることで湿度の影響は少なくなると思われる

・スピーカー等磁気の影響を受けそうな場所から離れたところに保管
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 →カセットは磁気テープなので最悪録音した音が消えてしまうことも

・たま~に(1年に1回くらい)思い出しようにカセットを取り出して眺める
 →これが効いてたかもしれない、整理するイメージ

つまりカセットテープ世代なら現役で使っていた頃の保管方法でよい。
レコードのジャケットが日焼けしないようカビが発生しないようどうやって保管していたか思い出せばいいだけ。


カセット世代はともかく、カセットテープに初めて触れる若い世代は物理メディア(特にアナログ)の正しい扱いを知った上でいつまでも大切に聴いてもらいたい。

悲運の規格 DCC Panasonic RT-Dシリーズ DEGITAL ZETAS

オーディオ用記録メディアはこれまでに数多く世に出ては消えていった。

そして2020年現在に至ってはすでに記録媒体としてのメディアは不要な時代となった。

オレも長くオーディオを趣味としてきたのでレコードとカセットテープ以降のオーディオ用記録メディアは全て使ってきた。
(SONYのNTも)

中でもDAT(デジタルオーディオテープ)は一般には認知度が低いが、それ以上に認知度が低いのはやはりDCC(デジタルコンパクトカセット)だろう。

DCCは1991年に発表され、1992年に商品化された。

当時のことはよく覚えている。

ことの発端はカセットテープの代替となるメディアが強く待たれていたことにある。

それまでレコードやCDの録音先メディアはカセットテープの一択だっただろう。

そこへまず登場したのがDAT(デジタルオーディオテープ)である。
初代ソニーデジタルオーディオテープ DT-46R

DATは発売当初からそのクオリティの高さにより著作権の壁に阻まれ、本来の性能を発揮できるだけの製品が発売できなかったという経緯がある。
つまりDATはCD音質またはそれ以上で録音できたので、実質劣化なしでデジタルコピーできることが仇となったのだ。

やがてSCMS(シリアルコピーマネージメントシステム)という著作権保護技術が開発され、1世代に限りデジタルコピー(一回だけCDをデジタルコピー)ができるという制約付きではあるが著作権の問題をクリアした。
SCMS搭載機こそが本来のDATの性能を発揮できたわけだが、時すでに遅し?
結果的にDATが普及することはなかった。

そもそもデジタルコピーができないのなら意味がないとオレは発売からしばらくDATを静観していたが、そのころになってようやくDAT(SONY DTC-77ES)を手に入れ、CDからのダビングをカセットテープからDATへと移行したのだ。
(現在の愛機はSONY DTC-2000ES)

それから間もなくして発表されたのがDCCとMDである。

DATは高価で使い勝手もいいとは言えなかったので結局はオーディオマニアのみが使用するオタクメディアとして終わったのだが、DCCとMDは完全に狙いが違っていた。

両者とも最初から著作権問題を解決しており、ポータブル用途を意識してかDATよりは使い勝手がよさそうだった。

では、すでにDATという高音質記録メディアがある中で、DCCとMDの立ち位置はどうだったかということだ。

まず疑問に思うのが、

「DATはカセットの代替ではなかったのか?」

ということだ。

答えは「No」だろう。

DATは十分カセットの代わりになり得たが、そもそもの狙いはCDを劣化なしに録音することだった。
CDを丸コピするならデジタル録音は必須であったが、オーディオマニアならともかく一般の音楽ファンはそこまでのクオリティを求めていなかったことは明白だった。
この時点でCDクオリティのデジタル録音は民生用としてはオーバークオリティであり、音楽業界においてもコンシューマーにおいても無条件に歓迎される風潮ではなかったのだ。

さらにこの頃になると、カセットテープでも十分高音質で録音できるほど熟成されていたので、それよりさらに高音質ということになるとそれはもう十分オーディオマニアの領域といえた。

高性能ゆえに値段はいつまでたっても安くならない。
安くならないから売れない。
そんな負のスパイラルに陥っていたことは当時身をもって感じていた。

DATは早々にプロの現場やマニア用の録音機器となってしまっていたのだ。

よってDATが登場してからも、一般ではカセットテープの方が多く使われていたのは言うまでもない。

そんな背景があった頃に発売された、DCCとMDはわかりやすく言えば、音質に妥協したDATの廉価版という位置づけになるだろう。

オレはこの時、初めて音楽を圧縮するという概念を知ることになった。

DATはCDの音を無圧縮でコピーするのに対し、DCCとMDはデータを圧縮したり間引いたりして、もとの音源より劣化したコピーを作ることを選択した。

つまりDATの失敗を見れば、カセットテープより使い勝手がよく、音はそれと同等以上であればそれだけでよかったのだ。

しかしこの考え方は、すでにDATで高音質録音を経験していたオーディオマニアには到底受け入れられるものではなかったが、気軽に外に持ち出すための手段と割り切りさえすればカセットテープ以上の魅力があり、DAT在りしであればマニアであっても所有したくなるだけの価値があったのだ。

さて、DATはもともと同じ土俵ではなかったとなると、次はDCCとMDのどちらを選ぶかということになる。

どちらも今度こそカセットテープの代替をターゲットにした大本命だ。

DCCの開発にあたり、開発元であるオランダのフィリップス社はヨーロッパ地域において事前にアンケートを実施した。

その結果は、
・サイズは現行のカセットテープで不満はない
・録音時間はカセットテープ相当でよい
・従来のカセットテープも使えると嬉しい

これを元に開発されたのがDCCだったのだ。

対するMDはソニーが開発したが、カセットとはなんの互換性も接点もない全く新しいディスクメディアを選んだ。
とはいえカセットの代替になるという目標はDCCと同じである。

フィリップス社のアンケート結果を真に受けるなら、従来のカセットテープも再生できるDCCのほうがだんぜん有利に思える。
DCC、MDどちらを選んでも初期投資は必要とはいえ、DCCは世界中に普及したカセットテープが再生のみだが可能なので無駄が少なく、カセットテープの正統な上位互換機ということにもなる。
(わかりやすく言うなら最新のプレステで旧プレステのソフトもプレイできるようなものだ)

対してMDは録音にCDのようなディスクを使用する。
全くの未知のメディアだし、何の後ろ盾もなくかなりの冒険になってしまう。

では、当時のオレはどうしたかというと、

迷わず選んだのは「MD」である。

理由は簡単だ。

すでにテープメディアには辟易としていたからだ。

そもそもオレはカセット→DATと順当にグレードアップしてきて、ここにきてDATより音が悪いテープメディアであるDCCを選ぶ理由が見つからなかったこともある。
ディスクに録音できるMDは革新的で新しく、とても魅力的に見えたのだ。

カセットテープやDATはテープメディアであるがゆえ、曲を飛ばすには早送りや巻き戻しといった動作が必然となる。
その際、曲選択時の待ち時間が発生するしその間のバッテリー消費も無駄だ。
またテープは機構も複雑で、テープ自体の物理的強度も低い。
これらはテープメディアの弱点であるが、それは同じくテープメディアであるDCCも同じである。

その点、MDはディスクであるがゆえ、CDと同様ランダムアクセス(選曲が早い)可能だ。
また、CDとは異なり繊細なディスクはカートリッジに収められている点も使い勝手のよさを予感させるものだった。

だからオレの中ではDCCかMDかという迷いは最初からなく、どちらか買うならMDを選ぶつもりだったのだ。
たとえMDがDCCに敗北したとしてもオーディオマニアであるオレにはDATの時と同様関係ない。
(つまりDCCも使えばいいだけの話だ)

結局、日本市場においては、オレ個人の選択と同様、MDのほうが普及することとなった。
(ヨーロッパと違い、新しい家電が好きな日本人気質というところか)

過去にはVHS対ベータ、LD対VHD、SACD対DVDオーディオなどの規格競争がたびたびあったが、この勝敗の決着はとにかく早かった。

それは今日の日本で「MDは知っているがDCCは知らない」という声が圧倒的に多いことが物語っている。
(そもそも日本では勝負にもならなかったのかもしれないが)

それだけDCCは多くの人に認知される前に日本では終わっていたのだ。
(個人的にはテープメディアを選択した時点でダメだと思うが)

もちろん海外では必ずしも日本と同じではないだろうが、少なくとも日本人はMDをカセットの代替として選択したのだ。
そもそも海外では逆にMDの認知度は低く、フィリップスのお膝元のヨーロッパではDCCが強かったのだろう。
(DCCが普及したかは別として)

しかし、オレもDCCがそんな早々に消えるとまでは予想していなかった。
ある程度の競争はあるだろうとみており、当時は価格がこなれてくればDCCデッキの購入も検討していた。
(使うかどうかは別として、オーディオマニアならやはりすべてのメディアの音を聴いてみたいという興味から)

その後オレは、数多くのソニーのMDデッキやMDウォークマンを使っていくことになるが、DCCに関しては結局リアルタイムで手を出すことなく終わってしまったのだ。

しかし、月日が経ってもDCCのことを忘れることはなかった。

なぜなら、当時オーディオフェア(確か東京・池袋の方)でDCCテープを無料で配布していたものをずっと大切に持っていたからだ。

その聴けないDCCテープを時々眺めては、DCCはどんな音だったのだろう?
と、DCCの音を知らないというのがどこか心の奥に引っ掛かっていたのだ。

月日は流れ、今ではDCCデッキを所有し、たまに聴く程度であるがそのポテンシャルに今更驚くばかりだ。

音質についてはここでは言及しないが、ひとつだけ言うならDCCとMDを同じ圧縮音源というくくりでみているのならそれは大きな間違いである。

いずれMDとの音質比較をやるつもりだ。

それでは掲題のDCCテープを見ていこう。

Panasonic RT-Dシリーズ DEGITAL ZETAS(デジタルジータス)

パッケージ表
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サイズはカセットテープのスリムケースとほぼ同じだ。

パッケージ裏
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パッケージ裏にワンショットケースなどとケースからの取り出し方法が紹介されているが、いまだこの取り出し方がオレにはできない。

テープ本体表
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カセット自体は、当然だがアナログカセットのサイズを守りつつもずいぶん様相が異なる。
オレは録音メディアのなかでは実はDCCこそが一番カッコいいと思う。

テープ本体裏
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アナログカセットのような表裏対称デザインではなく、ビデオテープやDAT然とした佇まいだ。
DCCデッキへセットする時は、おもて面を上にするよう向きが決まっている。

カセット自体はA面B面を全く意識させないデザインであるが、実際のテープにはちゃんとA面B面が存在する。
装着方向が決まっているのにA面B面があるということは、デッキはリバースヘッドが標準であるということだ。

スライドシャッター内
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金属製のシャッターをスライドさせると、テープ面が露出する。
(DATのようなシャッターのロック機構はない)
透明なリーダーテープがあるのはアナログカセット同様。
DATのようにテープを引き出してローリングヘッドに巻き付けるわけでなく、固定ヘッドをテープに押し付けるのでアナログカセット同様テープバッドを装備する。

そういえば、かつてDATの開発時にR-DAT(回転式ヘッド)とS-DAT(固定式ヘッド)のどちらにするか、という協議が行われ、DATはR-DATを採用したという話を思い出した。
S-DATは幻となったのかと思っていたが、よくよく考えるとこのDCCはS-DATだ。
DCCの商品化によりS-DAT方式の機器が世に出たのだと思うととても感慨深い。

DAT開発段階から候補となっていたS-DAT方式だが、同じデジタル記録のテープとはいえ、製品化された両者を比べるのは酷だ。
DATはCDを丸コピできる性能が求められた。
S-DAT方式ではそれを実現することが難しかったのでR-DAT方式を採用したのだ。
対してDCCはアナログカセットテープの代替が目的なので音質への敷居は低い。

それぞれの目的に合致した方式を合理的に採用したというだけの話である。

CDを丸コピとなると、R-DAT方式のほうが音質を担保するには楽な選択だ。
DATのテープ速度はわずか8.15mm/秒であるが、高速回転するロータリーヘッドを採用することで相対速度は約3m/秒にまで及ぶ。(理論値)
これをS-DATつまり固定ヘッドで実現するには相当のテープ速度が必要となるので無理だ。

しかし、DCCのテープ速度はアナログカセットと同様4.76cm/秒だ。
信号記録に8トラックを備えているとはいえ、その情報量はDAT(48kHz・16bit)の1/4程度ということだ。
アナログカセットの互換性に固執したがゆえに大きな制約を背負いこんだが、アナログカセットの音質を担保するには十分だろう。

テープ長判別孔
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カセットテープはポジション(メタル、ハイ、ノーマル)の検出孔があったが、DCCはデジタルゆえにポジションが存在しない代わりにテープ長の判別孔がある。

テープ長の判別方法
は穴がふさがった部分
※Uは未定義
Hole 45 60 75 90 105 120 U
3


4


5



ホール番号は規定の数値なので気にする必要はない。
(別に1,2,3としてもよかったのだが当時の資料はこうなっている)

この表に基づくと上のテープはホール3だけ穴が開いてないので60分ということになる。

つまり当初予定のテープ長は表のようなラインナップが考えられていたということにもなる。
また、さらなるテープラインナップの増加やその他未知の情報にも対応できるよう、この逆サイドのホールは未使用である。

誤消去防止孔
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カセットテープ同様、誤消去防止(デッキの録音ボタンが入らない)の機能もある。
白いパーツをボールペン等でずらすことで機能が働く。

録音可
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これが録音可能の状態。

録音不可
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白い部分を上にスライドすることで録音不可となる。
カセットテープとは逆だ。
ちなみにミュージックDCCソフトはここが最初からふさがっている。
カセットテープはツメを折り取り、DATやMDはスライド式だった。

ラベル用シール
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DCCの装飾に使うラベル類は添付されている。

DCCの装飾例はミュージックDCCソフトを見れば一目瞭然だ。
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左:ミュージックDCC(スティング/ベスト)、右:ZETAS

上面はミュージックDCCのように全面を使用することもできる。
(テープ窓が見えなくなってもいいなら)
ただ、DCCといえどA/B面が存在するので、テープが見えないといろいろ不便を感じるのでテープ窓をふさぐのはやめたほうがよい。
付属のラベルもテープ窓を隠すサイズではない。
アナログカセットのようにハブ穴がない分、情報の書き込み範囲が表に広くとれるのが利点だ。

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左:ミュージックDCC(スティング/ベスト)、右:ZETAS
オレは裏面までは使う必要がないと思うが・・・

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:ミュージックDCC(スティング/ベスト)、下:ZETAS

この側面はカセットテープでは使えない領域だった。

しかし、DCCではむしろこのエリアへの書き込みは必須となる。
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なぜならケースの構造上、インデックスカードが側面まで使えないのでテープ本体側面のラベルがその役割を果たすからだ。
(Panasonic ZETASのカセットケースの場合だが)

ケース表面とインデックスカード
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ケース裏面とインデックスカード
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裏面は従来のカセットテープと同様の使い方ができる。


さて、DCCを振り返ってみたが、MD勢に押されてその役割は静かに幕を閉じたということなのだ。

結局カセットテープの代替メディアとしての戦いの軍配はMDにあがったのだが、ではそのMDは本当にカセットテープにとって代わることができたのか?

それはMD世代なら答えはわかるだろう。

確かにMDはある一定の期間、カセットテープの代わりを十分に果たした。

しかし、そのMDもまた時代の波にのまれ、HDDやメモリーにとって代わられたのだ。

そしてかつてMDにその座を奪われたカセットテープは2020年現代も生き残っており、さらには見直されはじめているというのだからなんとも皮肉な話だ。

そういう意味ではMDもまた、悲運の規格といってもいいのかもしれない。

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あとがき
しかし、このDCC規格には残念ながら録音メディアとしては致命的な欠点がある。
カセット録音経験者ならきっと疑問を持つはずだ。
(ヒントはA面B面)
それはまた別の機会で触れることにしよう。

メタルテープに何を録音したのか その2

メタルテープに何を録音したのかを振り返れば、当時の自分の気持ちがわかるだろうということで、今回はその続き。

前回記事↓
メタルテープに何を録音したのか その1


前回はTDKのMA(21本)、MA-X(2本)と同じカセット録音されたものが複数あったものを挙げたが、今回は1本ものになる。


TDK MA(3世代目)
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そもそもこのテープは当時1本しか持っていなかったと思う。
その貴重な1本を使ったのだ。

マクセル派だったオレは、まだメタルが高価だった頃にはマクセル以外のカセットはそれほど使っていない。
それでもこれだけは1本は持っておかなければと録音せずにずっととっておいたカセットだ。

そういう意味では特別な1本だったのだがこれに録音したものは、


中森明菜
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中森明菜「BITTER AND SWEET」

特別な一本には、特別思い入れがあったアルバムを録音していた。

明菜の8thアルバム「BITTER AND SWEET」は、オレが初めてリアルタイムで買った明菜のアルバムだった。
(ただ、初めて聴いた明菜のアルバムはカセットにダビングした6th ANNIVERSARYだったと思う)

このアルバムを買った時のワクワク感は今も忘れない。
正式にアルバムを買うということは、オレの中ではファンの仲間入りをするという意味でもあったからだ。

明菜のアルバムを買うことで明菜のファンです、と公言できるのだ。

このアルバムは今でもワーナー時代アルバムのトップ3に入る名盤だと思う。
貴重なMAに録るにふさわしい1枚だ。


SONY Metal-S(2世代目)
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ウォークマンからのソニー党になって久しいが、ソニーのカセットはオレのデッキでは相性が悪かった。
そういう理由もあって使うことは少なかったが、この世代になるとオレのデッキでもそこそこいい音で録音できるようになった。

このモデルチェンジ後のデザインは好きではないが、当時アーティスト毎に録音するカセットのメーカーをなんとなく決めていたので、ソニーのカセットも買うようになった。
例えば、聖子はソニーで統一しなければならないし、斉藤由貴や浅香唯はアクシアという風に。
なんとなく決めていた人は少なくないのではと思う。

それもまた当時のカセットの楽しみ方でもあった。


今井美樹
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今井美樹「fiesta」

そういうわけで、とりあえず今井美樹はソニーとしたのだろう。
って、その1ではTDKで録ってるじゃないか・・・

たまたまTDKが底をついていたのかもしれないが、なんでもいいからとにかく今井美樹はメタルで録ると決めていたのかもしれない。

メタルで録りたかったという理由はいまでも理解できる。

やはり今井美樹の透明感あるボーカルとフォーライフの録音が素晴らしかったからだ。


AXIA XD-Master
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アクシア マスターシリーズのメタル版である。
(同じデザインでノーマル、ハイポジもある)

このカセットは未だにアクシアで総合的に最高峰ではないかと思っている。
(とにかくデザインが好きなだけなのだが)

アクシアの音質は高域がやさしく丸くなる印象が強い。
メタルであってもMA-Rのようなとがった高音は出ない。

しかしPSシリーズに比べればレンジが広く、アクシアのイメージを覆したモデルと言える。


稲垣潤一
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稲垣潤一「PERSONALLY」

そもそもなぜアクシアに録ったのかは置いといて、稲垣潤一のアルバムで一番好きなアルバムだ。
稲垣潤一との出会いはFMだった。

当時NHK-FMで新譜のアルバムを丸々流してくれる番組があって、それをエアチェックしたのが最初だ。
もちろん、これはそのエアチェックしたものではなく、CDから録り直したものだ。

しかし、日付がなんと平成5年(西暦1993年)。
1993年となると、オレはすでにカセットを使っておらず、DATをメインの録音機としていた。

ではなぜ、わざわざカセットに録音したのかだ。

理由ははっきり覚えている。

当時、熱狂的な稲垣潤一ファンの友人がおり、その彼から稲垣のアルバムを全て借りたのだ。
実は、稲垣のアルバムで聴いたのは、パーソナリーだけだったので他のアルバムには思い入れがなかったので、ほんとパーソナリーだけでよかったのだが全部貸してくれたのだ。

借りたからには録っておきたいとなるが、当時はDATが46分でも500円ほどしたので、稲垣の全アルバム(20枚はあったか?)をDATで残すことは経済的にも厳しかった。

そこでカセットで残そうと思ったわけで、パーソナリー以外は全く思い入れが無かったのでとりあえずノーマルで、そしてこのパーソナリーだけはメタルで録ったという経緯なのだ。

パーソナリーだけは中古レコードで持っているほど。
これはやはりレコードで聴かないとダメなやつだ。

もっと稲垣を聴いておくべきだったなと思う今日この頃だ。


TDK MA-XG
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TDK伝説のメタル MA-R の後継モデルだ。

とちらかというとオレはこっちの方が世代的に使ったので大好きだ。
デザインのカッコよさではやはりMA-Rかなとも思うが、音質・デザイン共にTDKを代表するカセットであることは間違いない。


松任谷由実
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松任谷由実「SURF & SNOW」

なぜMA-XGにこのアルバムを録ったのか思い出せなくてしばらく考え込んでいた。

最も好きなアルバムはボイジャーだったろう?
(実際ボイジャーはMAでなくMA-Xに録音していたが)

もちろんこのアルバムは名盤であることに違いないがなぜなのか。

しかし曲目を見てこれしかないだろうなと思った。

「恋人がサンタクロース」だ。

日本のクリスマススタンダードとなったこの名曲がそんなにオレは好きだったのか。


というわけで、その1(23本)、その2(4本)と合わせて27本の録音済みメタルテープが現存した。
あとはノーマル、ハイポジで録っているわけだが、やはりもっとカセットで録っておくべきだったなと思う。
特にレコードから録ったカセットは格別だ。

これからはこれら貴重なカセット資産をいかに残していくかということに尽きる。

また、2020年に新しく録音をやってみたいという野望も湧いてきた。

わりと壊れたものや古いものをポンポンためらいなく捨てるオレであるが、なぜかカセットだけはそのまま持っている。

それだけカセットテープが好きということか。

メタルテープに何を録音したのか その1

ふと気になり始めた。

カセットのメタルテープは今や製造もされていない。
そもそもカセットを知らない世代からすればなんぞや?だろう。

しかし、カセット世代からすれば、当時メタルテープの扱いは非常にデリケートなものがあった。

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SONY Metal Master

メタルテープはとにかく貴重だった。

これはそのメタルテープを当時どのように使用していたかの話である。

まずメタルテープの立ち位置だ。
カセットテープは3つのポジション(メタル、ハイポジ、ノーマル)でグレード分けされていた。
(厳密にはメタルとハイポジの間にフェリクロームがあったがその期間は短かった)
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単純にノーマル→ハイポジ→メタルの順に値段は高くなり、録音品質も高くなる。
つまりメタルテープは高音質で録音できるので高級だったのだ。
(この高音質という感覚はデジタル時代の今ではピンとこないかもしれない)

カセット全盛期には一本1000円を越えるTDK MA-RやSONY メタルマスターがあったが、それ以外のメタルでも700~800円はした。

だからオーディオ小僧には高嶺の花であったが、やがてメタルも種類が増え、安価なメタルも多く出始めるようになる。

当時いきつけの家電量販店のワゴンセールでメタルを一本100円で大量買いできたこともあったほど、メタルの価格的価値は下がっていった。
(その時はマクセルのMX4世代目のモデルチェンジ前の在庫一掃セール、初代黒ハーフのやつ)

なのでそれまでのメタルテープと言えば、持ってて1,2本。
しかも特定のアルバムは録音せずに、時々中身を入れ替えては高音質を楽しみ、時々取り出しては眺めるというありがたき存在であった。

安くメタルが手に入るようになると、やっとためらいなくメタルが使えるようになった。
(1980年代終盤の頃である)

しかしいくら安くなったとはいえ、メタルテープはノーマルやハイポジとは違う。
メタルテープに録音するにふさわしいものを選んで録音するのは当然だ。
それはお気に入りのアーティストだったり好きなアルバムだったりだ。

とにかくメタルテープに何を録音したのかがわかれば、当時オーディオ小僧だったオレの考えていたことやその背景が手に取るようにわかるということだ。

というわけで、今も手元に残る、1980年代に録音したカセットテープからメタルテープだけを選別してみることにした。
※当時の録音済みカセットはここにも少し掲載↓
カセットテープとレタリングシート

まず圧倒的に多かったのがこれ。

TDK MA(4世代目)
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TDKを代表するかつての廉価版メタルだ。

ブラックハーフに広窓でラージハブというメタルに相応しい佇まいだ。

これが実に21本もあった。

しかし、なぜにここまでMAを使えたのか理由を思い出してみた。
まず、この世代のMAにはさらにMA-Xという上のグレードのメタルがあった。
そのおかげでこのMAは廉価版メタルの役割を担っていたのでもともと少し安かったのだ。

なおかつ次期MAへのフルモデルチェンジを控えていたため、セールになっていたのだと思われる。
(インデックスカードに記した日付は全て平成元年(1989年)で次期モデル(5世代目MA)は1990年に発売されている)

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日付は1年とあるので平成元年だ。
また、メタルを購入してまでダビングしたのは持っていたレコードをこのタイミングで全て売却したかったのが理由である。

よって現存する録音済みのカセットはそのレコード処分時にダビングしたものも多い。

そこで思い出したのは、当時のリスニングスタイルだ。
外で聴くにはカセットウォークマンを使用したので、レンタルしたレコードやCDはカセットに録音した。
もちろん自分で持っているアルバムも全てカセットに録音した。
しかし基本的にレコードでも持っているものは長期保存は考えていない。
中学時代に録音したカセットは後にレコードで買い直したものが多いため、その都度録音済みを潰していったので、さらに古いカセットが残っていなかったのだ。
(実はオーディオに目覚めたその頃のカセットこそ、今となっては一番貴重だった)

だから現存する録音済みカセットは、
1.最後に所有していたレコードやCDからダビングしたもの
2.高校以降にレンタルまたは友人に借りたレコードやCDからダビングしたもの

また、録音済みカセットが減っていった理由は、
1.FMでエアチェックしたものは音質が良くなかったので上書き再利用した
2.中学時代は金がなくて聴き飽きたものから再利用した
3.社会人になってからCDで買い直したものを潰した
4.再生時にデッキに巻き込んでワカメになったものは仕方なく潰した

1,2については経済的理由が大きく、貧乏な学生では仕方ない。
しかし3で潰したカセットについては惜しいことをしたと当時の自分を呪うばかりだ。
4は今後も起こりうるので再生時には細心の注意を払わなければならない。


話がそれたが本来の目的であるメタルテープに何を録音したかだ。

このMAに録音したアルバムタイトルを見ると当時レコード(一部CD)で所有していたものがほとんどであるこがわかった。
そりゃ好きで一度は買ったものだから、手放す時には少しでもいい音で残しておきたいと思うのは当然だろう。

松任谷由実(12本)
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松任谷由実「ひこうき雲」「OLIVE」「悲しいほどお天気」「時のないホテル」「昨晩お会いしましょう」「流線形’80」「パールピアス」「リ・インカーネーション」「NO SIDE」「DA・DI・DA」「アラーム・ア・ラ・モード」「DELIGHT SLIGHT LIGHT KISS」

一番多かったのがユーミンだ。
自分で持っていたレコードやレンタルCDがソースである。
ユーミンのアルバムはとにかくどれも音質がよく、特にレコードは独特の空気感があったので少しでもいい音で残したかったのだ。

それにしても、これは。
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当時レコードを持っていたという証拠だ。
レコードの帯を切り取ってインデックスカードに張り付けている。

中古レコードで帯無しを嫌うオレであるが、まさにオレのようなやつが帯無しにしてたのか・・・

インデックスカードに記入するのはタイトルや曲目だけではない。
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録音年月日、ノイズリダクションのON/OFF、ソース音源、テープグレードは基本中の基本。
特にノイズリダクションについては最も重要だ。
ここに記入してあるのは、平成元年3月14に録音し、NRはOFF、ソースはレコード、テープはメタルという情報だ。

オレはこれに加えて録音に使用したカセットデッキの型名を必ず入れた。
(当時はAKAI HX-R44 AKAIで一番安い2ヘッドリバース機だ)
なぜなら、カセットテープは録音に使用した機器で再生するのがベストである、という原則に則って記入している。

これはカセットがアナログメディアであることと、カセットへの記録方法に由来する根拠ある理由だ。
詳細は割愛するが、要は録音に使用した機器以外での再生だと本来録音した音が再現できないのだ。

このことについては以下参照↓
昔録ったカセットテープをいい音で聴きたい

具体的には高域がこもったような音になる場合が多い。
そのため、いずれ再生する機器が変わった時になにかの参考になればという意味で当時記入したのだ。

ちなみにユーミンシリーズに使用したインデックスカードは全て当時絶大な人気を誇った「FM STATION」に付属したものだ。
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なかでも鈴木英人のイラストは雑誌の表紙やインデックスカードに起用されており、このイラストのためにFM STATIONを買っていた人も多かったと思う。
(ちなみにオレは基本FMレコパルで記事がつまらない時はFMステーションか週刊FMを買っていた)

インデックスカードのイラストや写真はなるべくアルバムのイメージに近いものを選ぶことが大切なのだ。


渡辺美里(3本)
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渡辺美里「Lovin' you」「ribbon」「tokyo」

シングル「My Revolution」の衝撃が未だに忘れられない渡辺美里。
美里を知ったのが先か小室を知ったのが先かどっちだったろう。
ドラマ「セーラー服通り」の主題歌で内容は全然覚えてないが、とにかく毎週楽しみにしていた。

美里の出すアルバムはとにかく売れたが、天才小室哲哉が手掛けたことが一番大きい。
小室のバンドであるTM NETWORKももちろん大好きだった。

ちなみに美里のファーストアルバム「EYES」はレコードを買って帰る途中、自転車のかごに入れたまま数分自転車から離れた隙に盗まれてしまったことが未だに悔しくて忘れられない・・・

しかしこれはどこから見つけてきたのか完璧である。
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タイトルは切り貼りしてるが、ミュージックテープ然とした佇まいで仕上げられるのはそれほど多くない。

字が下手なのでこういうのは助かる。
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FM誌から切り取ったものだが、カセットテープに張り付けることを前提に作られたニューアルバムの紹介記事である。
CD用の曲番号が振られているため、A面に入らなかった7曲目の手前に赤/を入れてB面の区切りとしている。


今井美樹(2本)
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今井美樹「エルフィン」「ビーウィズ」

今井美樹はとにかく声よし曲よしと憧れの大人の女性だった。
特にエルフィンが最高だが、今井美樹を最初に何で知ったのかは覚えていない。
だいたいは歌番組なんだろうが。

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これはCDを持っていたのでCDの帯から背表紙側を切り取って利用したものだ。
レコード会社名「FOR LIFE」は本来カセットサイズに収まらない下のほうに印刷されたものをわざわざ切り貼りしている。

FMレコパルは記事は面白かったが、インデックスカードの背がダサかったので、目隠しにはちょうどよい。


中森明菜(1本)
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中森明菜「BEST」

他にも明菜のカセットはあるが、メタルで録ったものは少ない。

なぜこのアルバムをメタルで録ったのか。
それはこれがオレの人生初CD、つまり記念すべき1枚目だったからだろう。
(そのCDを売るなという話だが・・・)

初版の帯が懐かしい。
今では見かけなくなったビニール製かつ裏が粘着のやつである。

そういえば、昔のCDの帯は4か所をCDケースに糊付けして固定していたのを思い出した。
あれは何気にやめてほしかった。


角松敏生(1本)
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角松敏生「SEA IS A LADY」

角松敏生もかなり好きだったが、これはインストアルバムだ。
流れで買ったわけであるが結果名盤である。
インストアルバムをメタルにとるほど好きなアルバムだった。

当時はフュージョンも流行っていたのでそういう感覚で聴いていた。
スクエア、カシオペア、松岡直也、高中正義、マルタもよく聴いた。


薬師丸ひろ子(1本)
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薬師丸ひろ子「古今集」

当時は角川映画にハマり、薬師丸ひろ子、原田知世が女優として、そして歌手としても人気を誇った。
映画館にも何度か足を運んだものだ。
いまでもこの二人が歌っているのはとても嬉しく思っている。
中でもこの古今集は薬師丸ひろ子のファーストアルバムでよく聴いた。
これは通常盤(金帯)とスペシャル盤(紫帯)の2通りが発売されており、それを知らずに通常盤を買ってしまったのだ。
後に知ったスペシャル盤がどうしても聴きたくて買い直した思い出がある。
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通常盤であればA面5曲、B面4曲で収められたところ、スペシャル盤も含めてカセット一本で済ませたかったのでこんなちぐはぐになっている。
結局B面が余り過ぎたのでシングルレコードから「セーラー服と機関銃」(B面:あたりまえの虹)まで入れて余白調整した形である。

荻野目洋子(1本)
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荻野目洋子「POP GROOVER The Best」

荻野目洋子はとにかく歌唱力が素晴らしい。
シングルヒット曲も多かったが、アルバムもよかった。
これはベスト盤だったのでメタルで残したかったのだと思う。


同一種類のメタルテープで複数存在したのは次のMA-Xまでだ。

TDK MA-X(2世代目
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これは2本のみ。
先のMAと同世代であるが歴史は浅く、2世代目のものだ。
同じメタルでもMAが銀文字に対してこちらは金文字。
さらに大切な録音に使用したカセットだ。

松任谷由実(1本)
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松任谷由実「VOYAGER」

MAのユーミンアルバムを眺めていた時に何か大切なものが抜けていることに気づいた。
そう、オレが初めてユーミンに出会い、オレが最高傑作と思うアルバム ボイジャーだ。
そっか、好きすぎてさらにいいテープに録ってたのか。

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ユーミンは当時からメディアへの露出が少なく、ジャケット用写真に本人のものを使うことが少なかったが、さすがに思い入れが強いだけあって、個人的にボイジャーのイメージカラーだと思っているブルーの服を着たユーミンをあてがっていた。
(相変わらず背タイトルはレタリングだが・・・)

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やはり、レコードの帯を切り取って使っていた。
レコードが音源のカセットが残っているとほんとうにうれしい。


中森明菜(1本)
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中森明菜「FEMME FATALE」

なぜこのアルバムにMA-Xなのか?
少し考えたら思い出した。
オレはこのあたりになると明菜はレンタルで済ませていたのだ。
とは言っても大好きな明菜だったのでいいテープを使って残しておきたかったのだ。
合わせてこのアルバムはロック調の激しい曲ばかりなので、その力強さをメタルで残したかったのだ。

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明菜のようなビッグアイドルともなると背表紙に困ることはない。
これはパイオニア「プライベート」のカタログ表紙だ。
当時はこのような用途のためにカタログを複数持っていた。

オーディオは好きだが買えないのでカタログだけは大量に持っていた。
一度積み上げたことがあったが多い時で1mを越えるほど溜めこんだことがある。


メタルテープに何を録っていたのか見てきた。

次回は1本しかなかったものを見ることにする。

メタルテープに何を録音したのか その2 へ続く

オープンリール風カセット TEAC STUDIO

ティアック、今も昔もオーディオマニアに愛される老舗オーディオメーカー。

これはカセットテープでありながら、オープンリールライクな見た目が人気を呼んだテープだ。
当時TDK、ソニー、マクセルの3強時代の中でも、このテープだけはしっかり覚えている。

TEAC STUDIO
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ポジション:メタル

オープンリールを思わせる超ナイスなデザイン。
他メーカーでもオープンリール風デザインは存在するがTEACが一番クールだ。
この見た目だけで音がよさそうと感じさせるのもうまい。

ディレクションA/B表示はハーフ右下に型押しされているがパッと見で分かりづらい。
カセット全般に言えることだがA/B面はハーフのネジの向きで見分けたほうが早い。
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一見ラージハブに見えるが隠れたハブ径は実は標準サイズ。
ティアックの完全オリジナルデザイン。

テープはマクセルのMX(メタル)を使用している。
それは匂いでも一発でわかる。
完全にマクセルと同じ匂いだからだ。。

年代を考えるとおそらくマクセルのMX3世代目あたりと同じテープを使っていると思われる。

ハーフのチープ感は残念ではあるがとにかく美しい。
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メタル検出孔、エクストラホールまではっきりみえるシースルー具合。
ラベルがない分どのスケルトンタイプよりも中が丸見え。
代わりにリール部分に品名が書かれてるところが心にくい。
これはかなり珍しい。
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