さくの家電のーと

オーディオ、音楽、家電全般に関する備忘録ブログ

◆雑記◆

好きなアルバムは聴き始めて2枚目になりがち説!?

これは最近ふと思ったことだ。

オレが好きな安全地帯のアルバムは聴き始めて2枚目のアルバムである。

なんとなくこれが他のアーティストでも同じことが起こっているような気がした。

少なくともいくつかは該当しているような気がしてならない。


これを意識したのはある日、安全地帯のオリジナルアルバムでオレが一番好きなアルバム「安全地帯Ⅲ」を聴いていた時である。


安全地帯の初期アルバムはデビュー作から、

安全地帯Ⅰ(1st 1983年)
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安全地帯Ⅱ(2nd 1984年)
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安全地帯Ⅲ(3rd 1984年)
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「安全地帯Ⅰ」のリリース時はまだ世間の認知度は低く、おそらく世間がその存在に気づき始めたのは初めての大ヒット曲「ワインレッドの心(1983年)」が収録された「安全地帯Ⅱ」からだ。

当時、オレは安全地帯ファンの友人A君の家に遊びに行き、A君の(正確にはA君のお兄さんの)コンポを聴かせてもらいながら、その時なんとなく「安全地帯Ⅱ」をカセットにダビングしてもらい聴き始めた。
(レコードもA君のお兄さんのものである)
オレはまだラジカセしか持っていなかったので、レコードのダビングは友人か貸しレコード屋に頼っていた。
だからA君の(正確にはA君のお兄さんの)ステレオコンポでダビングしてもらった方が都合がよかったのだ。
この時、兄貴を持つ友人がどんなに羨ましかったことか。
とにかく「安全地帯Ⅱ」はシングル以外のアルバム曲も最高で、それ以来安全地帯がメチャメチャ好きになった。

そうなると次のアルバムも気になってくる。

やがて「安全地帯Ⅲ」がリリースされるとオレは再びA君(正確にはA君のお兄さん)を頼りにカセットにダビングしてもらったのだ。

すると「安全地帯Ⅲ」にも、どハマりした。

このようにして安全地帯が好きになったオレであるが、Ⅲ以降はそれほど夢中になって聴くことはなくなった。

月日は流れ、今でこそ安全地帯のアルバムは全て持っているが、無性に聴きたくなる時にまっさきに頭に浮かぶメロディはなぜか「安全地帯Ⅲ」の曲がほとんどなのだ。

なぜかと考え始めた時「好きなアルバムは聴き始めて2枚目になりがち説」という仮説を立てるに至ったのだ。

それを検証した。

「安全地帯Ⅱ」は間違いなく名盤であり、Ⅱこそが安全地帯の最高傑作という声も高い。
オレもそれに異論はないが、自分が好きなアルバムとなるとⅡではないのだ。

その理由を考えた。

当時「安全地帯Ⅱ」はシングルがヒットしていたからという理由でなんとなく聴き始めたものだ。
しかし「安全地帯Ⅲ」はⅡがよかったので次も聴きたいという強い想いのもと聴いた。
さらにこの時、安全地帯の音楽については少なからず知識がある状態での自身2枚目のアルバムなのでまず慣れており、より音楽を集中して聴くことができたのだ。
このそれぞれのアルバムを聴くに至るまでの思考の違いはあまりにも大きい。

この2枚の間に安全地帯に対する想いの変化があったというわけだ。

おそらくそんなところだ。

では、この法則が正しければ他でも当てはまるのでは?ということで振り返ってみた。

条件はリアルタイムでそのアーティストを追って聴いていた場合に限る。
1枚目のアルバムから2枚目のアルバムが出るまでの空白の期間が重要だからだ。


松田聖子
最初:Canary(8th 1983年)
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2枚目:Tinker Bell(9th 1984年)
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他の記事でも書いたが、Canaryはオレが初めて貸しレコード屋で自分で借りたアルバムだ。
正確にはCanary以前のアルバムを友人から借りたカセットをチラ聴きはしていたのだが、自らの意思で聴いたといえばやはりCanaryなのだ。
Canaryがリアルタイムだったかは定かではないがわざわざレンタルするのに古いものから借りるというのは考えにくい。
おそらくリリース間もなく聴いたのだと仮定する。
そしてTinker Bellである。
これもレコードでなく貸しレコード屋でダビングしたが、当時はオレの1番好きなアルバムに間違いない。
今となっては多くのアルバムが存在する中、好みは変わっていく。
一番とは言わないがそれでもベスト3に入るほど好きなのは変わらない。


中森明菜
最初:POSSIBILITY(6th 1984年)
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2枚目:BITTER AND SWEET(7th 1985年)
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これも記憶が曖昧なのだがANNIVERSARY(5th 1984年)が最初だったような気もする。
(ANNIVERSARYはFMのエアチェックで聴いていた)
間違いないのはPOSSIBILITYはレコードを持っていたということ。
そしてBITTER AND SWEETは間違いなく発売を心待ちにした今も1,2を争う大好きなアルバム。
聖子と同様、当時は一番だったので今も上位にあるのは間違いない。


小泉今日子
最初:Betty(5th 1984年)
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2枚目:BEAT POP(12th 1988年)
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これはちょっとパターンが違う。
まずアルバムのリリース順が飛んでいる。
KYON2のアルバムはK君にレコードからダビングしてもらったBettyが間違いなく最初なのだが、次回以降のアルバムの記憶がない。
確実なのはBEAT POPは友&愛(レンタルショップ)でCDを自ら借りてダビングした自身2枚目に聴いたアルバムだということ。
Bettyeから4年の月日が経ち、オレのオーディオ環境は激変していた。
オレはすでにレコードからCDに移行していたのだ。
とにかく、BEAT POPは今もどれよりも好きなアルバムということだ。
このような事態となった背景は、当時は聴きたい音楽がありすぎてつまみ食いしすぎたからだ。
多くのアイドルが乱立した80年代はやはり聖子・明菜は強すぎる。
お金はなく、好きだからとなんでも聴くことは不可能に近い。
誰に重きを置いて聴いていくのかはその時の己の匙加減次第だったのだ。
もちろん空白期間のアルバムについては後聴きで補完したのは言うまでもない。


杉山清貴&オメガトライブ
最初:River's Island(2nd 1984年) 
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2枚目:NEVER ENDING SUMMER(3rd 1984年)
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オメガトライブは友人K君の勧めで聴き始めた。
River's Islandはカセットにダビングしてもらったもので聴いており、NEVER ENDING SUMMERは確かFMからエアチェックしたと思う。
(当時はFMでアルバムをまるまる流してくれる番組があった)
いかんせん、NEVER ENDING SUMMERは真冬の12月の発売で夏のイメージのオメガトライブとしては残念な時期だった。


荻野目洋子
最初:NON-STOPPER(6th 1986年)
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2枚目:246コネクション(7th 1987年)
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これは記憶がはっきりしていて間違いない。
NON-STOPPERはベスト盤のようでオリジナルアルバムっぽくないが大好きでCDを買った。
(オレが初めてパイオニアのCDプレーヤーを買った時期だ)
続く246コネクションは完全オリジナル。
荻野目洋子ならではのビートはやや落ち着きをみせるが、その代わりより聴かせるアルバムだった。
オレの1番は246コネクションで今も変わらない。


あとがき
そういうわけで、思い当たるものを挙げるとやはりいくつか該当はある。
もっと調べれば(思い出せば)該当しそうなものはありそうだ。

とにかく昔のことで時系列がさすがに曖昧で後付け感もなくはないが、本来順当に聴いていればやはり2枚目が自分の一番のアルバムになる可能性は高いような気がする。

もちろんこれに当てはまらないパターンも多々あるが、いくつか該当しているので2枚目説もあながち間違っていないと思っている。
当時1番でも今は他のアルバムのほうがいいと思うこともあるが、それでも2枚目が上位にくるのは間違いない。

アーティストの一番好きなアルバムは当時から現在までの心境や嗜好の変化で入れ替わるものだ。

なので当時はそうだったとしても、その後のアルバムでそれを超えるものが出てくることもある。

今と昔で違うのは1枚のアルバムに対する重み・ありがたみが全く変わってしまったということだ。

好きな音楽をなんでも聴けるわけでもなく、厳選して聴かざるを得ない環境だったからこそ1枚のレコードに対する想いは大きかった。

買わなくても好きな音楽をいくらでも聴ける現代。

そんな恵まれた環境と引き替えに、音楽を渇望する気持ちは失われているような気がする。

カセットテープの劣化と対策

古いミュージックテープや昔自分で録音したカセットテープを聴いていると音が悪いなと思うものがたまに出てくる。
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それはもともとの録音が悪い場合を除き、再生環境ではなくカセットテープ自体に問題をかかえていることが多い。
もちろん再生環境は当時と同等またはそれ以上のコンディションであることが前提の話だ。
(カセット世代ならこの理屈はわかるだろう)

もし、これから新たにカセットテープを使おうという若い世代であれば、本来の音を録再するために最低限カセットデッキまたはプロフェッショナルと呼ばれたカセットウォークマンを使わなければその音を正確に評価することは難しい。
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なぜかと問われれば、それはアナログとはそういうものだからだ。

極論ではあるが、デジタルはある程度の再生環境であれば誰もが同じ音を聴くことができるが、アナログは良いシステムであればあるほど音がよくなる(本来の音を再現できる)からだ。

これくらい言っておかなければデジタル世代はカセットやレコードの音をしょぼいと思い込んでしまう。

アナログに関しては、
しょぼい音=自分の再生装置がしょぼい
のだと思ってほしい。

なので、カセットテープの音が悪いと思ったらまずは自分の再生環境を疑うところから始めよう。

もちろん音の悪さの原因切り分けのために、再生機器側(カセットデッキやラジカセ)の事前メンテは必須だ。
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ヘッドのクリーニング、消磁もやっているのにそれでも音が悪いならカセットテープ自体を疑うしかない。

不具合の症状によっては改善できる場合もある。

過去のライブラリを未だカセットで所有していたり、今でもあえてカセットへ録音してライブラリが増え続けているならなおさら、いつまでもいい音で聴くための最低限のカセットの扱い方を知っておくべきだろう。

それではカセットテープの音質を悪くするまたは悪いと感じるいくつかの要因を書き留めておこう。

ドロップアウト
ドロップアウトはテープの経年劣化による磁性体の剥がれ落ちにより、その部分を読み込んだ時に音が一瞬途切れたり、かすれた音になる現象。
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気にならないほどの一瞬の音の途切れからすぐに気づくような音の途切れとケースは様々。
オレの所有するカセットで音が悪いと感じる要因で一番多いのがこれだ。

ドロップアウトがもっとも発生しやすいのはテープの巻き始め(最初の1,2分くらい)が多い。
それはテープの先頭部分ほど外気の影響を受けやすいためだ。
新品の生テープを使用しても年数が経っていれば最初からこの症状が出ることもある。
これらを防ぐため、録音の開始は30秒~1分ほどテープを送るオーディオマニアもいるほどだ。

なお、これと似たような音の聴こえ方でテープをデッキに巻き込んでクシャクシャにしたテープ(ワカメという)を再生したときの音がある。
これは物理的にテープが破損しているので見ればすぐにわかるがドロップアウトは見た目では全くわからない。

また、テープを先頭まで巻きとらない状態で長期間放置した場合、その部分だけにドロップアウトが発生することもあるので聴き終わったら巻き取っておく(透明なリーダーテープまで)のは最低限やっておくべきことだ。
ドロップアウトは対処のしようがないが、予防としてはたまに再生または早巻きなどをして風を通すと発生を遅らせるくらいはできるかもしれない。


転写
テープの無音部分にその前後の音がかすかに聴こえる現象を転写という。
これは録音時の録音レベルが高いことで高確率で発生する。
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例えば2曲目と3曲目の無音部分に3曲目最初の音がかすかに聴こえるという感じ。
CDなどのデジタルメディアでは曲間は実質存在しないのでアナログならではの現象だ。

これは長期保存のカセットによくあるが、録音したてでも録音時のレベルが高すぎると比較的早くに転写する場合もある。
(理屈は違うがレコードでも曲間に音が聴こえることがある)
自分で録音したものなら録り直せばいいが、これは市販のミュージックテープでも発生するのでどうしようもない。
ドロップアウトもそうだが、スピーカー出力では確認できないほど小さい音なのでヘッドホンで聴かない限り気が付かない場合が多い。
自分のカセットにはそんな現象はないと思っていてもヘッドホンで聴けば発生していたなんてことはよくある。

対策としては転写部分を再度無音で録音して上書きすることもできるが、危険なのでまぁやめた方がいい。
(テープカウンターを見ながらやったことはあるが失敗すると悲惨)
しかし、これから自分で録音するのなら、S/Nを稼ぐために調子にのって録音レベルを上げすぎないことくらいだ。
あとはデジタル化した後、無音部分をカットするしかない。


伸び
再生していてテンポが遅いと感じたらテープが物理的に伸びていることも疑うべきだろう。
ただし、これは再生機器側が原因の場合もあるため、他のテープも再生して切り分けたほうがよい。
主な原因は高温となる場所(かつては車内が多かった)での長期間放置。
テープはフィルムなので当然熱に弱く、そのような環境下に置くだけで徐々に伸びていく。
よほど過酷な環境でない限りはそうそう伸びないが、伸びてしまったらもう元に戻すことはできない。

あとは巻き取らず放置するとその部分だけが伸びたり、巻き弛みから起因することもある。
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あえての対策はピッチコントロール付きのデッキで再生すれば調整は可能だ。
(ただし均一に伸びている場合)
大切な録音ならピッチ調整してダビングし直したほうがいいだろう。


カビ、ほこりの付着
得体の知れない中古のミュージックテープを再生していてもっとも悩まされるのがこれだ。
適切な環境で保管していればそうそうカビやホコリがつくことはないが保管状態が悪いとテープ自体にカビが発生したり、テープから剥がれ落ちた磁性紛がカセットデッキのヘッドに付着して音を悪くしてしまうことがある。
これは外的要因なので適切な処置さえすれば改善する可能性はある。

症状としては高音がこもったような音になる、または徐々に音がこもって高音が聴こえなくなる。
テープ自体は一見しても汚れているようには見えない。
しかし再生していくと最初はクリアに聴こえていたのに徐々に高音がこもっていき、ひどい時は音が聴こえなくなることもある。
このようなカセットは1分でも再生するとデッキの再生ヘッドに汚れが付着する。
主に外気の影響を受けやすいテープの最初の方が汚れている場合が多い。
軽度であれば1度再生することで次回は改善するが、それはデッキのヘッドに汚れをなすりつけながら汚れをとっているわけなので、すぐにヘッドをクリーニングしなければならない。

症状を確認したら速やかにデッキ側はクリーニングすればよいが、テープの方はとりあえず早巻きを繰り返すか、それでダメならテープを直接クリーニングする。
クリーニング方法はテープを引き出して水気を切った脱脂綿でテープを軽く挟んで拭いていく。
鉛筆やマッキーを使ってテープを送りながら巻き取れば早く楽にできる。
テープを切らないようゆっくり優しくやるのがポイント。
どうせ音がまともに聴けない劣悪なテープなので捨てるつもりならやってみる、それで改善すれば儲けものと思えばいい。
あまり勧められないが捨てるよりましだろう。
驚くほど音は復活する。
通常ならこれだけで汚れはほとんど落ちるが改善しない場合は再生環境も疑ったほうがよいだろう。
例えば、ドルビーNRの有無、リバースデッキであれば正逆方向のアジマスずれがないかなど。


なお、カセットテープはA面B面とあるが、これは一本のテープの幅を半分ずつ使用して録音するため、これまで挙げた劣化による症状はA面B面の同じ個所で現れることが多い。
(ない場合もある)
例えばテープA面を再生して1分後の部分にドロップアウトが確認できた場合、テープB面の最後から1分の部分にもドロップアウトが発生するということはよくある。


カセットのトラブルは未然に防げる部分もある。

録音時の注意点

転写を抑えるためには録音レベルを上げすぎないこと。
とはいえ、適正な録音レベルでも転写が起きることもあるが・・・

再生時の注意点
使用頻度の低い再生機器の場合、まずは不要なカセットを再生してテープを巻き込むなどしないかしばらく様子を見る。
再生音が遅い、回転が止まりそうと思ったら危険信号、テープを巻き込む可能性大。
再生機器のヘッド周りはクリーニングし、高音がこもってきたらすぐに再生をやめてデッキのヘッドを確認。
再生機器を再度クリーニングし、音がおかしいテープは再生をやめるかクリーニングする。


最後に保管方法について。

カセットの劣化を遅らせるための最低限の注意点
オレの所有するカセットはほとんどが未だまともに聴ける。
これはつまり保管方法がそれほど間違っていなかったということだろう。
(録音済みのほとんどのカセットが30年以上経過している)
なのでどうやって保管していたかがそのままの答えになるんだろう。

別に特別なことは何もやっていない。
・テープはどちらかに完全に巻き取っておく
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 →テープの部分伸びの防止

・カセットテープは付属のケースに入れる
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 →外気、ホコリの混入防止

・ケースに入れたカセットは更にカセットラック(何でもよい)またはダンボールに入れる
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 →2重で外気、ホコリの混入防止

・保管場所はクローゼットの中とかでなく普通に部屋のどこか直射日光が当たらないところ
 →奥にしまいすぎない、ある程度の風通しも必要

・部屋の温度は冬は10度前後から夏は30度前後なら季節まかせでもよい
 →氷点下とか40度以上になると厳しいかも

・湿度については特別な処置はやっていない
 →ケース+ラックに入れることで湿度の影響は少なくなると思われる

・スピーカー等磁気の影響を受けそうな場所から離れたところに保管
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 →カセットは磁気テープなので最悪録音した音が消えてしまうことも

・たま~に(1年に1回くらい)思い出しようにカセットを取り出して眺める
 →これが効いてたかもしれない、整理するイメージ

つまりカセットテープ世代なら現役で使っていた頃の保管方法でよい。
レコードのジャケットが日焼けしないようカビが発生しないようどうやって保管していたか思い出せばいいだけ。


カセット世代はともかく、カセットテープに初めて触れる若い世代は物理メディア(特にアナログ)の正しい扱いを知った上でいつまでも大切に聴いてもらいたい。

なぜミュージックテープはレコードより生きながらえたのか

ミュージックテープを収集しはじめた頃からいつもある思いがよぎる。

それは、レコードによるアルバムリリース終了時のことだ。
(意識していなかったので記憶が曖昧なのだ)

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※聖子最後のオリジナルアルバムLPとなった「Citron(1988年)」、その後カセットだけは発売された次のオリジナルアルバム「Precious Moment(1989年)」

この歴史的転換期をはっきりと記憶する人はもう少ないかもしれない。

そもそもレコード販売終了より以前にレコードからCDへ切り替えていたなら、なおさら記憶が怪しいだろう。

かくいうオレもレコード販売終了前にCDに切り替えていたので知る由もない。
(今思えば学生の身分でもオーディオマニアなので切り替えは早い方だったかもしれない)

当時CDに切替後はレコードの動向は特に気にも留めていなかった。
あの頃はただ新しいメディア「CD」に夢中だったのだ。
だが1990年代初頭までは東芝EMIのブルーノートJAZZ復刻レコードに限り購入していた時期もある。
いくらCDに切り替えたとはいえ、ブルーノートジャズはやはりレコードで聴くべき、という考えは当時から持ち合わせていた。
つまり「時代の音がある」ことは最低限意識していたということだろう。

さすがにCDも1980年代末ともなると広く普及し、レコードの居場所はますますなくなっていた。

そんなアナログ終焉の時代、ではカセットはどうだっただろう?

もちろんミュージックテープの動向など、レコード以上にオレは興味がなかった。

しかし、実はミュージックテープはレコード販売終了後も引き続き販売されていたというのが事実なのだ。

そもそもレコードでアルバムを買う者にとって、カセットは音質的にレコードより劣るという考えが少なからずあったと思う。

カセットは自分で録音した音楽を聴くためのメディアであり、音楽入りのミュージックテープを買うのはカラオケ好きな中年のやることだという、どこか馬鹿にしたような考えがオレにはあった。

つまり、ミュージックテープはカッコ悪いということだ。

そういうわけで当時はミュージックテープにはまるで興味がなかったので、カセットがその後どうなったかなど知る由もない。

そんなオレが今ではミュージックテープを好き好んで収集しているのだから、当時のオーディオ小僧に言わせれば「お前は何をやってるんだ」と叱られそうだ。

それはともかくとして、自分の記憶になかったあの時代の出来事を補完するべく、調べることにしたというわけだ。


まずは当時のレコードとカセットのリリース状況を確認するのにちょうどいい聖子のオリジナルアルバムのディスコグラフィデータで確認してみよう。

聖子オリジナルアルバムのレコード/カセット発売状況
※国内正式発売分のみ
※●は発売有り
Noタイトル 発売日 LP CT
1 SQUALL 1980/8/1
2North Wind 1980/12/1
3 Silhouette 1981/5/21
4 風立ちぬ 1981/10/21
5 Pineapple 1982/5/21
6 Candy 1982/11/10
7 ユートピア 1983/6/22
8 Canary 1983/12/10
9 Tinker Bell 1984/6/10
10 Windy Shadow 1984/12/8
11 The 9th Wave 1985/6/5
12 SOUND OF MY HEART 1985/8/15
13 SUPREME 1986/6/1
14 Strawberry Time 1987/5/16
15 Citron 1988/5/11
16 Precious Moment 1989/12/6 -
17 Seiko 1990/5/15 -
18 We Are Love 1990/12/10 -
19 Eternal 1991/5/2 -
20 1992 Nouvelle Vague 1992/3/25 -
21 Sweet Memories '93 1992/12/2 -
22 DIAMOND EX 1993/5/21 -
23 A Time… 1993/11/21 -
24 Glorious… 1994/6/12 -
25 It's Style 95 1995/5/21 -
26 WAS IT THE FUTURE 1996/5/14 - -

これでわかるのは1988年5月の「Citron」が最後のLPということ。
そして翌年からの7年間は10枚のアルバムでCD+カセットのみの販売となる。
カセットの販売は1995年5月の「It's Style 95」が最後となり、その翌年の「WAS IT FUTURE」からはCDのみの販売となった。
ただし「WAS IT FUTURE」は全米向けに制作されたため、海外盤でのみカセットが存在している。

聖子に限らず、だいたいはレコードでのリリースが終わってもカセットだけは引き続き販売されていただろうことは容易に予想できる。
(ただ販売終了時期はメーカーにより異なるだろう)

ではなぜカセットはレコードと運命を共にせず生き残れたのか?

それはあの時代を生きたものであればいくつか思い当たる節があるはずだ。

つまりカセットの優位性を考えればいいのだ。

もともとCDはレコードに代わることをターゲットにしたメディアである。

数年をかけ、レコードからCDへの移行がある程度完了したため、レコードはその役割をCDにバトンタッチしたわけだ。

しかし、それをよそ目にカセットはレコードとは少々違った運命を辿った。


カセットがレコードの亡き後も生き残った理由。

持論であるが思いつくまま挙げてみた。

①レコードプレーヤーよりカセットプレーヤーのほうが普及していた
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そもそもレコードとカセットの誕生はレコードの方がずいぶん先。
しかし、70年代に入るとカセットは爆発的に普及し、レコードよりも手軽かつプレーヤーが小型化できる音楽媒体として全世界に広まった。
カセットレコーダーはラジカセやカーステに形を変え、屋外でも気軽に聴けるようになったのだ。

思えば物心ついた頃には家にはレコードプレーヤー(簡易型のやつ)もラジカセもあったが、自分用に初めて買ってもらった(もしくは親から譲り受けた、または奪い取った)のはラジカセという人は多いはず。
それだけラジカセはレコードより手軽かつどの家にもあったのだ。
なのでレコードプレーヤー以上にカセットプレーヤーは普及していたと考えられる。
レコードプレーヤーは1台だが、ラジカセは2台以上という家庭は多かったはずだ。
レコードのほうが歴史が古いにも関わらず、それ以上に普及していたのがカセットというバックグラウンドがそこにあった。

②CDプレーヤーがないならカセットで聴くしかない
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レコードがなくなってもカセットさえ発売してさえくれれば、①の理由からとりあえずカセットプレーヤーで聴くことができたはず。
若い世代ならすでにCDプレーヤーなりミニコンポなりを購入していたであろうが、考えてみると親は相変わらずカセットを使い続けていた。
(演歌しか聴かないので)
とにかく、CDがまだ聴けなくてもカセットが聴ける環境は誰もがそのまま継続できているわけで、レコード時代でもカセット派であったならなおさらCDプレーヤーを慌てて買う必要がなかったということだ。
つまり、カセットはCDからレコードへの過渡期の緩衝材(仲介役)の役割も果たしていたと考えられないだろうか。

③カセットに変わるメディアがまだなかった
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カセットとレコードの根本的な違いのひとつ、それはカセットは録音もできるという点。
録音できるということなら当時はマイクロカセットやオープンリールもその役を担ったが、音質や手軽さのバランスは両者とも到底カセットにかなわない。
だから再生音源がレコードからCDに切り変わっても、その録音先はカセットを使うしかなかったのが現実だ。
つまりラジカセやカセットデッキはCD時代になろうが録音機としての役割がまだ残されていたのだ。
ミュージックテープ以前にカセットテープの根本的な用途は録音再生だ。
CDとレコードは当時はあくまで再生専用。
(CD-Rはまだまだ先の話)
カセットの代わりなど務まるはずもない。
従って、後にカセットの代替候補となる、DAT・MD・DCCの登場まではカセットの存在意義は大きかったのだ。
日本ではカセットの代替は実質MDになったが、MDに移行しなかった人からすればさらにカセットの役割は延長される。
しかも世界に目を向ければDAT・MD・DCCはカセットの普及に遠く及ばず、消えていったメディアともいえる。
つまり、それほど存在感のあるカセットをレコード会社が無視できるはずもなかったということだ。

④カセットのほうがリスニングスタイルに自由度があった
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レコードプレーヤーを外に持ち歩き、家以外で聴いたなんて人はそうそういない。
対してカセットはラジカセという形態もあり、どの部屋にも移動して聴ける。
さらにウォークマンがあれば外に音楽を持ち出せるのだ。
自動車に搭載されたオーディオももちろんカセットだ。
レコードより段違いに使い勝手がよい。
レコード買ったらわざわざ外で聴くためにカセットにダビングしたくらいだ。
レコードからCDへの過渡期においては、CDはまだカセットほどの自由度はなかったのだ。

⑤演歌とカラオケの影響が絶大だった
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当時の中高年世代において演歌とくればカラオケ。
カラオケとくればカセットだ。
まだ、現代のようにカラオケ店がどこにでもなかった時代は家でカラオケをやったものだ。
今もカセットテープに10分テープがあるのはその名残であり、未だその用途で使う人がいるということを意味している。
(10分テープはカラオケ練習のための自己録再用途)
そして演歌の売り上げのほとんどはおそらくカセットが断トツだったと思うのだ。
結果的にカセットが消えることがなかった一番の要因はここにあるような気がする。
演歌で売れるのはカセットなので、生産ラインは廃止できない。
廃止できないならポップスにおいてもミュージックテープの生産は継続可能だったということだ。


ざっとこんなところだ。

つまりカセットにはまだ役割が残っていたからということだ。

当時オーディオ小僧だったオレの中で音の悪いミュージックテープは敬遠すべき存在だった。
カセットを聴くのは自分でレコードからダビングしたものを聴く時だけ。
だからミュージックテープは不要だった。

そもそもレコードに比べれば音質・耐久性どちらもミュージックテープは怪しい。

だからこそミュージックテープを買う理由がなかったし、レンタルするにもそもそもミュージックテープなんかおいてなかった。
(レンタル屋で探したことはないがたぶん?)

つまりレコードこそが当時のマスター音源だったということにほかなならい。
ダビングするうえでもレコードは絶対的存在だったのだ。

そもそもミュージックテープはあらゆる条件下での互換性を考え、ノーマルテープを使用したものがほとんどだった。
(ノーマルテープを再生できないプレーヤーは存在しない)
ノーマルテープを使っているなら当然音は悪いと誰もが思う。
レコードと同じ金額を払ってどうしてわざわざ音の悪いミュージックテープを買うだろうか。
それがオーディオ小僧の当時の考えだ。

まぁ自分で録音するならハイポジやメタルの高音質テープも選べたのだからそう思うのも無理はない。

ただ、当時から気になっていたのは実はミュージックテープの音はそれほど悪くないということ。
ただし自分で録音したカセットと比べてという意味でだ。
自分でレコードから録音したハイポジのカセットの音より良いと感じたことが何度かあるのだ。

もちろん再生環境にもよるが、ハイポジで自分で録音したカセットより、ノーマルのミュージックテープのほうが音がいいなんてことはよくあったのだ。

いま思うと、レコードとは根本的に製造方法が異なり、レコードにあるスクラッチノイズは完全にない。
ただしアナログテープの欠点といえるテープヒスノイズは避けられないが、ノイズリダクションを使えばそれも軽減できる。

そう考えるとミュージックテープも「あり」だなと今では思うようになっている。

いまや音源マニアの感もあるオレは、当時ほとんど聴かなかったミュージックテープの音に興味が尽きない。

そういうわけで今更(いや今だから)ミュージックテープに愛しさを覚えるオレは、当時買うことは決してなかったミュージックテープの音が好きなのだ。

オーディオ小僧 マイベスト作成時の時間計算

ダビングの流儀の記事を書いていてふとこんなことを思い出してしまった。

かつてオーディオ小僧はマイベストのカセットを作成する際、その時間計算にある方法を用いた。

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聖子の季節しばりベスト(自己編集)

どこで知ったか思い出せないが、それは電卓を使う時間計算法だった。
(当時はオレの周りは結構やっていたような気がする)
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思えばCDプレーヤーであればプログラム選曲機能で曲を適当に選ぶことで自動で時間が積算されていったのでとても楽だった。

しかし、レコードともなれば話が違う。
複数のシングルやアルバムから好きな曲をピックアップし、カセットの収録時間に合うようあらかじめ計算した上で構成を決定するのだ。
こうすることでテープを無駄にすることなく、曲が終わると同時にテープエンドを迎えるというダビングの美学まで成立するのだ。

これは入念な準備が必要だ。
(アルバム1枚のダビングの方がよほど楽)

まずは適当な曲をピックアップし、それぞれの曲の演奏時間を書き出しておく。

もちろん希望する曲の流れは当然あるので、一度適当に曲を並べてみる。

次に時間計算に移るがそうそう綺麗にはいるはずもない。

例えば90分テープなら片面45分。

計算してA面47分でB面43分ならそれぞれ45分となるよう均していくのだ。
最初はA面曲とB面曲を入れ替えてみる。
それでもダメなら他の候補曲と差し替えなければならない。

何度もやり直すので効率的かつ正確な時間の計算が必要だったということだ。

では、どうやって時間を計算していたのか実際にやってみることにしよう。
DSC01295

電卓への入力方法
例えば、3分52秒の曲なら
30052
と入力する。

それぞれの意味は以下。
3 0      0       52
↓   ↓        ↓        ↓
分 分秒の仕切り 秒の積算エリア  秒

分と秒の間に0を2ついれるのが肝になる。
(意味は後述)
秒は積算され、百の位の0へと桁が移行していくという仕組み。

この方法で積算した時間が例えば、
180321
という結果なら、

321を60で割るイメージで、あとは九九(暗算)の6の段を用いて300に近い数値を導き出す。
6(0)✖=30(0)
これくらいの暗算ならは誰でもできる。
300秒は5分。

あとは割り切れなかった分の21がそのまま秒なので
5分21秒となる。

これにもともとある分18を足すと
23分21秒になるというわけだ。

では実際に適当な時間でやってみる。
3:50
DSC01274


4:15
DSC01276


DSC01277

3:45
DSC01278


DSC01279

3:38
DSC01280


DSC01281

4:01
DSC01282


DSC01283

170149なので、
百の位の秒「149」は2分29秒と即座に暗算できる。
あとは17分を足して19分29秒といったぐあいだ。

真ん中に0を二つ入れるのは分と秒との分界点積算時の秒の余力のためと先に述べたが、実際これでよい根拠を考えてみる。

通常のカセットへの録音は長くても90分テープに留めると思う。
DSC01285
※SONY Metal-ES(初代)

90分以上のテープはテープが薄くなりすぎて機械に巻き込む可能性が高くなるため、音楽用には推奨されていないのが一般的に知られるところ。
(実際オレは120分テープはほとんど持っていないし録音に使ったこともない)

つまり片面45分が最長とする。

通常の曲の長さを3~4分程度と想定して、短めの3分としても45分なら15曲入る。
その15曲の秒部分が全て59秒と仮定して(ありえないが)
59×15=885

つまり秒の部分が
999
を超えることはまずまずないということになる。
よって分の横の0は最後まで分と秒の分界点として機能し続けるので互いに干渉しないということだ。


こうした緻密な計算の元、作成されたマイベストはまさにオリジナリティ溢れる貴重な一枚となる。

しかし1枚のアルバムより寄せ集めのほうが、ダビングの流儀のダビング編で述べた録音レベルの設定にまでこだわるとそれこそ面倒なことになる。

アルバムよりシングルの方が音が大きいので1枚ごとにレベル調整が必要なのだ。
(レコードが違えば録音レベルも変わってくる、まぁこれはCDでも同じことがいえるが)

もし今、ベストをレコードから作るならどう計算するだろう。

時間計算のアプリでもっと楽に計算できるんだろう。

ふと思い出した時間計算、かつてのダビングの作法のひとつである。
DSC01290


余談

電卓ときて、ふと思い出したことがある。

71011345
これを電卓にいれて、
DSC01286

逆さまにすると
DSC01287

ShEll OIL(シェル オイル)

これを友人に見せてドヤ顔をしたオーディオ小僧が目に浮かんだ。

360 Reality Audio を聴く

かねてよりソニーからアナウンスされていた、360 Reality Audio(スリーシックスティ・リアリティオーディオ)について、いよいよサービスが開始されるようなので早速試聴してみた。
(2021/3現在はデモ音源しかないが)
無題

360 Reality Audioはいってみれば音楽用サラウンドフォーマットのようなものと考えればわかりやすいだろう。

音源はストリーミング配信により提供されるので現代のスタイルから大きく変わるものではない。
(今後はデータダウンロードで購入できるようにもなるのか?)

ただし、音源があればそれでいいかというとそういうわけではない。

当然環境を整えなければ聴くことはできない。

とはいっても、その環境はすでにスマホやアンドロイドウォークマン等で音楽を聴いている人であればもうゴール手前。

つまり既存の環境で誰もが聴ける新フォーマットということなのだ。

オレはとりあえず手持ちのスマホとヘッドホンだけで30分ほどの設定の後、試聴までこぎつけた。

今回は試聴までの手順とその他所感をまとめておくことにした。


必要な環境
・スマホとヘッドホン(イヤホン)
初期投資なく、一番手軽な方法なのですぐに始められる。
スマホはアンドロイド端末を使用。
(アップルがアプリに対応しているかは不明)
ヘッドホンは基本的に制限はなく、使用するアプリ次第。
ソニー提供のアプリだとソニー製のいくつかの指定ヘッドホンを選択することでさらに最適化された音を聴くことができるようだ。
より臨場感を出したいならカナル型イヤホンのようなインイヤータイプでなくオーバーヘッドタイプのほうがよりよさそうだ。

・スマホと専用スピーカー
スマホまでは同じだが音出しの手段として専用スピーカーも用意されている。
スマホからスピーカーは当然ワイヤレスである。
現時点ではAmazonのスマートスピーカーかSONYの対応スピーカーでなければ再生不可。
今後は技術提携した他メーカーの製品も期待できるだろう。
試聴していないのでなんとも言えないが、そもそもヘッドホンと同等のサウンドステージが再現できるか疑問だ。


360 Reality Audio仕様
音声フォーマット:MPEG-H 3D Audio
サンプリング:24bit/48kHz
ストリーミングビットレート:1.5Mbps

仕様を見る限りストリーミングでもハイレゾ相当の音質で提供されるようだ。
さらなるハイレゾ化はストリーミングでは頭打ちしそうだが、ダウンロードであればより高音質化することも可能だろう。


聴くまでの手順
360 Reality Audioを聴くまでの手順。
(かなり簡略化)
手順はかなりシンプルであるが設定は少しだけ面倒だ。

1.アプリのダウンロード
グーグルストアでSony Headphones Connectアプリをダウンロード。

2.諸設定
ソニーアプリでは自分の耳の写真を撮影してサーバーに送る。
これでより個人に最適な設定ができるらしい。
この間、メールにリンクがきたり、ログインしたりと面倒な手続きがある。
ログインが完了するとすぐに設定に移れる。
ソニー製ヘッドホン(イヤホン)を持っているならメニューで自分のヘッドホンを登録すれば、さらに最適な設定がなされるらしい。
オレはメニューの中にいくつか該当があったが今回はMDR-1Aを選択した。
このアプリ自体は設定のためのアプリ。

3.再生アプリのダウンロード
360 Reality Audioの音源は特定のストリーミング会社のどれかのアプリをダウロードする。
オレはとりあえずArtist Connectionをダウンロードした。

これでもう聴く準備は完了


360 Reality Audio以前に
例えばこれを単なるサラウンドと捉えるとなるとオレは1990年代からヤマハのサラウンドプロセッサーで5.1ch以上を聴いていたわけで、臨場感という観点だけでは目新しいものでもない。
(最高で7.1まで頑張ったがケーブルの引き回しは大変だった)
一般家庭でサラウンド環境を構築している人は少ないだろうが、映画館では誰もが気軽に体験できるのでそう考えれば腰を抜かすほど驚くことではない。

ただ、360 Reality Audioのすごいところはそれをひとつのヘッドホンだけで再現できるところだ。

つまり2chということ。
ドルビーサラウンドのシステムを構築するのにどれだけのお金と手間がかかるかということを考えれば初期投資ゼロで同等のサラウンドを実現できるのは画期的技術だ。
ヘッドホンひとつという話なら、すでにソニーはデジタルサラウンドヘッドホンシステム「MDR-MDR-HW700DS」というものがある。
オレはこれにテレビやプレステをつないで普段から映画・ドラマ・アニメ・ライブ等を見ている。
これは9.1ch相当のサラウンドの再現性があり、ドルビーサラウンドの各種フォーマットに対応している。
その効果はサラウンドバー1本よりははるかにましであるが、本格的なものには敵わない。


再生音について
音は360という名の通り、音場は実際のホールにいるかのような臨場感がある。
これは仮想球体空間に24のオプジェクトを配置し臨場感を再現しているそうだ。
どう解釈すればいいのかわからないが、例えば自分の部屋に24個のスピーカーを配置してそれぞれが独立した音をだしているようなイメージだろうか。

さて、試聴してみて思ったのは確かに臨場感はすごいと思う。
デジタルサラウンドヘッドホンシステム「MDR-MDR-HW700DS」と比べても段違いの臨場感。
これが普通のヘッドホンの音と思うと、これまで音場が広いといわれていたヘッドホンの立場もなくなるだろう。
音源はデモであったため、360 Reality Audioの凄さを見せつけるような演出がされている。
映像とリンクして、試聴ポイントが移動していく。
最初はボーカル。
これだけでもライブのような臨場感、続いて離れた各楽器やコーラスへ視点が移動していくとそれらの音が徐々に近づきボーカルは遠ざかる。
アトラクション的な感じで面白い。
とにかく360 Reality Audioの実力はわかった。
では、実際のリリース版はどうなるのかという話だ。
いくら臨場感を出すためとはいえ、ボーカルが横や後ろにいって遠くに聴こえるようでは落ち着いて聴けたもんじゃない。
では、リスニングポイントは固定でボーカル・楽器の配置をより明確にするのか?
それでもステレオより格段に臨場感があるがメリットを最大限に生かしているとはいえない。

そうなるとコンテンツ作りがどうなるのか気になる。
どちらかというとライブ向けにはちょうどいい。
そもそも最近の音楽はそもそもステレオ感なく音場が狭くつまらない。
(ほぼモノラル)
打ち込みばかりで本来音源は一点なのをステレオにミックスしているわけだ。
(生楽器の演奏でない場合)
これをリミックスするのかという話だ。
1990年代以前の音源であれば面白くなりそうだ。
そういう意味では360 Reality Audioはこれまでの音源と同等に扱うのは多少無理があるのかもしれない。
ちょっとライブっぽい音で聴いてみたいと思った時に時々聴いてみる、そんな感じか。
到底360 Reality Audio 1本で新譜をリリースするアーティスト等いないと思うので、通常版と360 Reality Audio版のような売り方をするのではと推測。
そう考えると確かにストリーミングオンリーのほうが理に適うような気がしてきた。


コンテンツの提供形式について
思ったのは360 Reality Audioを音楽専用フォーマットとするのは若干もったいない。
なにしろ普通のヘッドホンでサラウンド環境が実現できるとなれば、どうしても映画やドラマ・ゲーム等の映像も、と欲がでてしまう。
手始めは音楽ライブ映像と組み合わせてということになるだろう。
あとは例えばプレイステーションVRのコンテンツとして音楽ライブ会場を自由に移動してリスニングポイントを選べるなんてのも面白い。
プレイステーション5は3Dオーディオに対応とあるが、これが360 Reality Audioを指しているかはわからない。


今後の展望
個人的には360 Reality Audioをどのようなスタイルで聴くべきか、どう扱っていくかが課題だ。
つまり、スマホ・PCから出力してヘッドホンまたは専用スピーカーにとどめたスタイルだけでいくか。
オーディオメーカーがアンプやDAコンバーターにデコーダーを内蔵してオーディオ的にも展開していくのなら、より高音質で聴けるオーディオマニアも夢中になれる余地はある。
現実的にはヘッドホンのみが一般的となりそうだが、オーディオマニア的に考えると360 Reality Audioも自身のハイレゾ再生オーディオシステムの中に組み込みたくもなる。
ただし、ネックとなるのは専用スピーカーが必要となる部分だ。
仮に既存のシステムに組み込んだところで専用スピーカーとなると結局このために別のシステム構築が必要となるわけなので既存のシステムとの親和性を計ることは厳しい。
試聴はしていないがこの専用スピーカーによる音場再現がヘッドホンで聴いたような臨場感が出せるとは到底思えない。
複数のスピーカーを360度上下に配置したとしても、音の出どころは1か所の点音源。
これはサラウンドバーで体験済みだが本格的な多チャンネルスピーカーによる臨場感には到底かなわない。
となれば、AVアンプにデコーダーを内蔵させ、5chに最適化して再生したほうが現実的。
または、逆にもともと2chなのだからスピーカー2本を正面でなく横(耳の水平方向)へ配置し、360 Reality Audio専用スピーカーとはならないだろうか?
ヘッドホンでできるならそれがスピーカーに代わるだけ。
ヤマハのホームシアタースピーカー配置でいうならSRとSLを360 Reality Audio専用とするのだ。


懸念点
360 Reality Audioはソニー主導の技術だ。
つまりソニー独占とあればコンテンツは限られてくる。
もちろんソニーに賛同してソニーミュージック以外の企業が参入するのなら全く問題ない。
それより心配しているのは他社でさらに別のフォーマットが出てくる場合だ。
こうなるともう混沌としてくるのは過去の数々のフォーマット戦争で経験済み。
フォーマットの乱立はユーザーがとまどい、普及の足止めにもなりかねない。


今後の展開が楽しみなものが出てきた。
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