さくの家電のーと

オーディオ、音楽、家電全般に関する備忘録ブログ

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ミュージックサーバーの導入(環境構築編)

音楽再生環境を見直す課題として、自分の中で長い間検討していた音楽専用サーバー(以降NAS)導入について、今回ようやく踏み切ることにした。

2021年現在、オレの音楽を聴く手段として長い順で以下になる。
・サブスクや配信で聴く(ストリーミング)
・PCに保存したCDやダウンロードファイルをウォークマンに転送して聴く
・各メディア(CD、レコード、カセット等)を直接プレーヤーで再生して聴く

なんだかんだ言って作業しながらBGM的に聴くことが多く、となると手軽なストリーミング再生の時間が長くなってしまう。
そのうちもっといい音でということになるとウォークマンで聴く。
直接プレーヤーでメディアを再生するのは手間と言えば手間なので割合は低い。

上記3項目は、それぞれリスニングスタイルが異なるので、シームレスな切り替えは当然できていない。

音源については基本的に好きなものはメディア媒体として所有しているので、ストリーミング再生は本当にBGM程度の軽いノリだ。
音楽を聴く手段が増えた今ではレコード等のメディアで直接聴くことは贅沢な時間になりつつある。
(言い方を変えればめんどくさい)

この現状のリスニングスタイルの不満点は結局所有する膨大なメディア資産にある。
本当に聴きたいのは所有しているメディアだからだ。

まずCDが現状では一番多く所有するメディアになるが、これも一部しかPCに保存していない。
新譜を入手した時や聴きたいCDをその都度PCに保存している。
メディアを所有しているから、という安心感からPCの入れ替えのたびに入れ直しているので、なかなか全音源が保存された状態にはならない。
もちろんあえてそうしているというのもある。
あとはPCの容量とか単純にそれが面倒という理由だ。
仮にPCに全部入れたとしてもウォークマンに全て入れるつもりもない(入らない)から今後もやらないだろう。

これまではPCに音源を保存する目的はウォークマンへ転送するためだけだったので、USB DACを介して聴くこともまだやっていない。
(やろうと思えばできる環境は整っているのだが)

ただ、思い出したように「あれが聴きたい」なんてことはよくあることで、その都度CDを引っ張り出して聴いたり、PCに保存したりの繰り返しはさすがに無駄な時間に思えてきた。

まぁそれはいいとしても、お目当てのCDやレコードをラックの前で探すのはやはり面倒だ。
ましてやアナログメディアのレコードやカセットはデジタル化していないので、所有しているものがまるで把握できていない始末だ。

そういうわけで音源を”ある程度”集約するために、ついにNASの導入に踏み切ったわけだ。

要はアナログを含めた所有音源をストリーミング感覚で高音質かつ手軽に聴きたいということ。
そうすればオレのミュージックライフは今より豊かになるだろう。

さて、一言でNASと言っても、その使い方は人によってさまざまだろう。

オレの考えるNASの活用方法はいくつかの段階を経て完成させるつもりだ。
(もちろん音楽専用が前提)

第1段階
NASへ音源を保存しまくる。
これまでPCに保存していた音源をNASに変更することで、PCのストレージ容量を気にすることなくバンバン保存していく。
これまでと変わりなくウォークマンにも転送できるので、これだけでも有意義だ。
まずはCDとダウンロードファイル(デジタル音源)からということになるだろう。

第2段階
NASの音源をタブレット、スマホ等からも聴けるようにする。
PCかウォークマンでしか活用できなかった音源を全端末まで拡大する。
PCを立ち上げる必要もなく、ウォークマンに転送する必要もなく、同じ音をさらに手軽に聴くことが目的だ。
アプリの仕様と使い勝手が決め手となるだろう。

第3段階
NASの音源をオーディオシステムで聴けるようにする。
オレのオーディオシステムはリビングとオーディオ部屋の2か所。
どちらもUSB DAC内蔵アンプなのでまずは環境設定していくことがメインになるだろう。
いずれは単体でUSB DACの導入も検討したい。

最終段階
NASへアナログ音源も保存する。
アナログは再生しながらのデジタル化となるのでどうしても時間がかかる。
また、これには新たな機材も導入したい。
やろうと思えばこれまで簡易的にやっていたPCMレコーダーで直接録音という手もあるが、どうせなら本格的にやりたい。
レコードのデジタル化にはKORG、カセットのデジタル化にはTASCAMあたりが適当と考えている。
すでに所有するCDとかぶるものは避けるが、レコードでしかない音源も多くある。
さらにカセットはレコード以上に貴重な音源が多いのだ。


全段階が終われば今回の構想のゴール。

これが完成した時に懸念しているのは、NASにライブラリを集約することでメディアの必要性を感じなくなることだ。
ただ、オレはオーディオマニアなのでメディアとそのメディアを再生する機材には思い入れが強い。
新譜はダウンロードよりまずはメディアを所有することが一番なので買うだろう。
カセットデッキくらいは少し整理してもいいかもしれない。
終活ともなればライブラリの整理を真剣に考えてもいいが、それはまだ先の話だ。

オーディオ観点のネットワーク整備も時代の流れとしては必要なのでやって損はない。
これまで通りでもよかったと思うならそれはそれで構わない。

もしかすると、NASの導入をきっかけに逆にゆっくりメディア媒体の音に耳を傾けられるのかもしれない。


そういうわけでまずは環境構築編。

今回初めて購入したNASはこれ。

IO DATA Soundgenic HDL-RA2HF
m
購入日:2021/7/1
購入価:33,800円
サイズ:幅168mm×奥行134mm×高さ43mm
重量:1.2kg

写真は設置してしまったのでアイ・オー・データHPより拝借した。
バッファローのLinkStationと迷ったが、横置きデザインでオーディオっぽくこちらの方が好みだった。
アイ・オー・データのNASもいろいろあったが、よりオーディオに特化したのがサウンドジェニックだ。
単にハードディスクと考えれば高いと思うがオーディオマニアとしてのこだわりもあるのでこれでもちょっと無理したほうなのだ。
NAS初心者のオーディオマニアにはちょうどいい。
s
フロント、天板、底板ともにヘアライン仕上げで高級感がある。
サイズは普通の外付けHDDとさほど変わらないが重さはあるのがうれしい。

これはHDDモデルであるがSSDモデルは桁が違うので手が出なかった。
さらに同社ハイエンドの「fidata」ともなると何十万なので話にならない。

HDL-RA2HFはそういう意味ではオーディオ用の入門機になるのだろうがまずはこれで十分だろう。
b
裏面入出力は必要最低限といったところ。
左の穴はケーブルクランプの差込口だ。
電源ボタンが裏面についているのはちょっといただけない。
pic-1
電源はACアダプターからとるが、電源回路本体がケーブルの中間にあるタイプなのでコンセントの差し込み位置に悩む必要がないのは幸いだった。
こういう小物はコンセントプラグ一体型が多いのでほんと助かる。

それではまず設置に入る。

Wi-Fiルーターはリビングにあるのでテレビ用ラック内に適当に設置した。IMG_0103

本来ならアンプの上には置きたくないが、そのうち配置換えをするのでこれは暫定ということで。

ルータ―とサウンドジェニックはLANケーブルで接続する。
LANケーブルは同時購入しておいたカテゴリー7(CAT7)で繋ぐことにした。
IMG_0106
よくわからないメーカーのものを買ったが昔のカテ5のことを思えばこれでまずは十分。
色を4色から選べるのはよかった。

ついでに壁~ルータ間も同じくカテ7に交換した。
IMG_0105

LANケーブルのカテゴリーの違いは通信速度や伝送帯域に関わってくるので重要だ。
カテゴリー5、6、7、8のうち今回は7。
8はまだ値段が高い。

そもそも今まで家に転がっていたカテ5を適当に使っていたのでこれがボトルネックになっていることはわかっていた。
しかもプラグ固定用のツメが折れていて掃除するとすぐ抜けるし、たまに繋がらないなと思ったら抜けてたってこともしばしば。
NASを導入しなければずっと放置してそうな勢いだった。
なにはともあれ、これでようやく本来の通信速度を使い切ることができそうだ。
(体感はあまり変化がなかった)

接続が完了したら、電源を入れて設定に移る。
本機はファンがないのでもともと静かなのだが、HDDの動作音も全く気にならないレベルだ。
深夜寝静まった頃に何か音がするかなといった感じ。

サウンドジェニックの設定は取説通り「LAN DISC コネクト」というスマホ用アプリをダウンロードして指示に従って行う。
どうやらスマホかタブレット用しかアプリがないようだ。
なんか取説と画面が違うなぁ、と思いつつも特に問題なく完了した。

PCから確認するとNASは認識されていた。
あとはPCを使って、サウドジェニックをネットワークドライブに仲間入りさせる。
これは取説には載っていないのでわからなければネットでその方法を検索すればいい。
netdrisetteigamen

設定画面でサウンドジェニックを指定。

znetworkdrive
下から2番目にネットワークドライブが見えた。

無事、PCでサウンドジェニックのストレージをネットワークドライブに割り当てた。

あとは、CD等を取り込んだファイルの保存先をNASに変更すればよい。

で、いい機会なので現在使用中のSONY Music Center for PC以外にアップルのiTunesも使ってみようかと思った。
タブレットのiPadで使うならいiTunesのほうが相性がいいのではと思ったからだ。

まずは、ソニーMusic Centerの設定変更から、
g
設定からファイルの保存先をネットワークドライブに変更。

h
試しにネットワークドライブに保存したアルバムをWi-Fi経由でソニー Music Centerで再生したが問題なかった。
曲飛ばしに若干もたつくかなという程度だ。

これでMusci Center設定は完了。

次にアップルiTunesの設定変更だ。
iTunesは過去に少し使ったことがあるも、ウォークマンユーザーであることやダウンロードはソニーmoraを使うのでほぼ知らないに等しい。

調べていると問題にぶち当たった。
どうやらiTunesはFLACに対応していないみたいだ。
アップル独自のALACがFLACと同様のロスレスだが、これは困った。

今後莫大な音源をFLACで管理しようと思っていたのにここでALACにするのはどうしたものか。

逆にMusic CenterやウォークマンはALAC再生に対応している。
昔はソニーがATRACという独自規格で意固地だったのに、今では立場が逆ではないか。

まぁどちらを使うかは要検討ということで、とりあえずiTunesの設定を変更しておくことにした。

が、これには正直てこずった。

そもそもアップルはiTunesのデータ保存先をNASにすることは推奨していないようで、設定変更画面にネットワークドライブが見えなかったのだ。

いろいろ調べて変更の方法はわかったが、それでもそのマニュアル通りにもできなかった。
不親切で細かいことを端折っていたのだ。
忘れないうちにここに備忘録として記しておこう。
itunessetteigamen
上の写真のように変更できればいいのがこれがなかなかできなかった。

作成したネットワークドライブにiTunes用のフォルダをあらかじめ作っておく。
この時デフォルト(インストール時)で作成された保存先から「iTunes Library.itl」ファイルをコピーしておく。
このファイルがないとiTunes側で設定が終わらなかったのだ。
itunesfilehissu
たったこれだけなのにずいぶん手こずった。
きっとアップルに詳しい人は簡単にできてしまうんだろう。

itunessaisei

なんとかiTunesのファイル保存先をネットワークドライブ上に変更でき、試しに再生した。
問題なく再生できたので完了だ。

そもそもSONY党であるオレはウォークマンのためにSONY Music Centerを使っている。
全ての端末からMusic CenterでNASからデータを読み出すことができるのかはやってないのでわからないが、Music Centerにこだわる必要もない。
Music Centerは使いにくいからだ。
っていうか昔からソニーのアプリは変わるたびに使いにくさは変わらない。

各端末での再生ソフトも統一したい考えではあったが、やっていくうちにそんなこだわりはかえって不便になりかねない気がしてきた。

まずはファイルフォーマットを何にするか、NASへの書き出しソフトを何にするかはしばらく平行運用して決定しようと思う。

ちなみにFLACとALACは容量的にはほぼ変わらない。
FLACの方が若干小さいかなという感じだった。
IMG_0104

次回は、
第1段階
NASへ音源を保存しまくる。

ナガオカ式レコード洗浄法を試す

1980年代にレコードと完全にお別れしていればレコードを洗おうなんてことは思わなかっただろう。

それが今や当時よりもレコードを抱えている。

しかもほとんどが中古盤。

それらを聴くたび、パチパチ音に溜息をつきながらあの時代に思いを馳せる。
(実際はノイズが気になって集中できないが)

オレのメイン音源はCDだ。
なのでレコードは当時を回顧するための手段(あくまで嗜好品)と割り切っていたが、当ブログで当時のダビングを再現するなど、真正面からレコードと向き合ううち、自分のふがいなさにだんだん腹が立ってきた。

ある程度追い詰められないとこんな気持ちにもならないオレだ。

多少のパチパチは我慢しようと決めていたが1枚2枚の話ではない。
自称オーディオマニアとしては精神衛生上よろしくない。

やはり、レコードを洗う日がやってきたのだ。

何を隠そうレコード洗浄はやったことがない。

これでオーディオマニアだと豪語するのもおこがましいと思うがそれだけレコード洗浄を躊躇するのには理由がある。

正確には昔一度だけやったことがあるのだ。





それは大滝詠一の「イーチタイム」だった。
イーチタイムがリリースされて1~2年後だっただろうか。

そのレコードは友人のK君とトレードしたもの。
そしてイーチタイムはもともとK君のお兄さんが買ったものを譲り受けたのだと聞いていた。

そのK君からはすでにイーチタイムを借りてダビングしたカセットは持っていたのだが、あまりに気に入りすぎてトレードを申し出たのだ。

オレからは飯島真理の「Midori」を提供した。
81qO-S54i0L._AC_UL320_

これは新品購入して10回も再生していないとても状態のいいものだ。
(なぜならカセットにダビングしていたから)

しかし対するイーチタイムの状態はそれは酷いものだった。
いきなり大切なイントロ(魔法の瞳)からバチッとノイズありで、その後も時々バチバチいっている。
そしてこれがいくらクリーニングしても消えないのだ。
(スプレーしてサっと拭くだけのやつ)

この不公平さにはかなり損した気分だったが、それ以上にイーチタイムが手元にあることが嬉しかった。

そういうわけでこのレコードを洗おうという気になったのだ。
その時はオーディオ雑誌で「洗えばノイズがなくなる」という記事をチラッと読んだだけでその詳細な方法など思い出せないまま実行に移したのだ。

とりあえず、風呂場に向かい、洗面器に水を溜める。
まずレコードラベルがどうすれば濡れずにすむかと考える。

結局適当な方法も思い付かず、気を付けながらやろうとなった。

しかしどんなに気を付けようがすぐに濡れたのは言うまでもない。

こうなればもう素早く洗ってすぐに拭くしかない。

洗うとなると何か洗浄剤が必要だが、とりあえず風呂場にあった石鹸を水に溶かしながらやったのだ。
ろくに混ざってもいない石鹸水でレコードの盤面を水彩画用の筆でなぞってみる。
しかしどこまでやればいいのかまったくわからない。
すでにラベルは水に濡れてしまっているので早く終わらせなければ。

すすぎもそこそこに洗浄終了。
見た目ではわからないものだ、綺麗になったような気がした。

すかさずタオルでざっと拭いて、乾く間もなくプレーヤーにかけた。

結果は散々だった。

イントロの「バチッ」はまったく消えてないし、しかもレコード針にはおそらく石鹸のカスなのか白いものがごっそりついてきた。

もう泣きたくなるのを通り越して笑ってしまった。

やらないほうがよかったと思えるほどレコードをダメにしてしまったのだ。





というわけでこれがトラウマとなったのは言うまでもない。

オレにとってレコード洗浄はやはり禁断の領域であったのだ。

もう二度とやらない。

オーディオ小僧はその時そう思った。
(正確にはレコードを洗ったところで効果がないと決めつけたのかもしれない)

月日は流れ現代。
元オーディオ小僧は再度レコードを買い集めるようになる。
しかしもうほとんど全滅なノイジーなレコードの音に悩まされることになる。

あの時聴いたレコードの音はもう完全に色褪せていた。

しかし、レコードの音がダメでもCDがあるからと思い直すと、いくらか気休めにはなった。

それでも今ではレコードの洗浄方法はネットで検索すればいくらでも情報が得られるほどメジャーなものとなっている。
もう汚れたレコードはバンバン洗ってしまえという時代なのだ。
数年はそれら情報を眺めながら静観していたが、近年のさらなるレコードの復権により世の中は大きく変わってきた。

では、レコードを洗ってみるかということになるがその方法を検討する。
方法は手洗いか洗浄マシンの2択。
かつては少なかったレコード洗浄マシンの選択肢は増え、価格もリーズナブルになってきた。

しかし、自分の性格を考えると例え安価なマシンを買ったところで大して使わなくなることが怖い。
何より安物を買って効果が薄ければまたトラウマになるだろう。
そもそも狭いオーディオ部屋にマシンを置いておく場所はない。

それらを総合して考えると金銭的かつ失敗したときの精神的ダメージが少ない手洗いが一番だと結論づけた。

ようやく腹を決めて探していると、どうやらナガオカがレコード洗浄グッズをキット販売していることを知った。
しかもホームページにはその洗浄の手順までアップしてくれている。

ネットでの人それぞれの洗浄手順や道具の使い方の違いに辟易としていたオレには、メーカーが示してくれるのは本当にありがたい。
何より大好きなナガオカが教えてくれるんだから間違いない。

早速ナガオカのレコード洗浄アイテムのセット売りを購入した。
DSC01409

洗浄手順は動画通り忠実にやるだけだ。

慣れてくれば素早くできるようにもなるだろう。

そこで今回洗浄対象とするレコード盤はかなり前に買った中古盤。
DSC01410
※ユーミンの中でも大好きなLP 松任谷由実「昨晩お会いしましょう」

お気に入りのレコードほど音が悪いのは悲しくなるものだ。
このレコードはボーカルのサ行が非常にサチりやすい。
昔はそれに悩まされたものだ。
今回は前回のダビング時のセッティングミスを反省し、プレーヤーのセッティングは完璧にできている。

しかしながらセッティングが決まっていようがもともとのレコードの音はそれは酷い。

あまりのノイズの多さにただの1曲でさえ聴き終えるのがつらいほど。
DSC01411
傷こそないので一見すると綺麗に見える。

まぁ洗浄して効果を確かめるにはもってこいだ。


それではナガオカ式レコード洗浄をやってみよう。

1.LPレコードラベル保護プロテクターの取り付け
DSC01413

これは今年2021年にモデルチェンジした2代目「CLP02」だ。
(前モデルは「CLP01」)
DSC01424

取っ手の部分を改良して、洗浄時の持ちやすさを改善したもの。
言われてみれば確かに持ちやすい。

消耗品となるゴム類は1セット予備がついてきた。
DSC01412


2.キッチンで洗浄
プロテクターを取り付けたら早速水洗い。
蛇口はシャワーになるならシャワーにしたほうがいいようだ。
(水圧が強くなるし水は細いほうがいいに決まっている)
ビルトインの浄水器も通した綺麗な水にした。
DSC01414

ここではWETクリーナー(WCL111)を使って洗っていく。
片面30秒ほどか。
DSC01425

WCL111は水道での洗浄、仕上げ時の洗浄の両方で使えるのがうれしい。

ナガオカによると、あとは普通にどこの家にもある食器用中性洗剤を使えばいいとのこと。
DSC01415

ナガオカの動画では盛大に洗剤をひと回しかけていたが、とりあえず左右に2か所垂らす程度にした。
それでも十分泡立った。
それにしてもこのWETクリーナーのグリップ感はすごい。
円周方向に撫でるとガッチリと溝を捉えている感覚が伝わる。
ここは片面1分くらい洗ってみた。
効果が薄ければもっと長く洗えばいいんだろう。
さすがに初めてなので本当にラベルが濡れないか不安だったが全く問題なかった。

一応ネットで評判のライオン「システマ」も買ったが今回は不要だ。
もしかしたら酷い汚れにはこれが必要かもしれないが、WCL111のスピードには到底かなわない。
正規の使い方で消費させてもらおう。
DSC01423

終わったらWETクリーナーについた洗剤を泡がでなくなるまできれいに洗い落とし水を切っておく。
(乾かす必要はない)
レコード盤の洗剤を軽く洗い流したら再度このWETクリーナーで音溝の洗剤を洗い流すつもりでこすっていく。

3.拭き取り
洗い終わったらクリーニングクロスを使って盤面の水分を拭き取っていく。
DSC01417

次の工程もあるのでここでは見た目で水分がなくなっていれば十分だ。
ここは重要な部分なのでオーディオ小僧がやったようにタオルやティッシュは絶対使わない。
このクリーニングクロスは吸水性に優れ、自己発塵も抑えられた素材だ。
DSC01427

水の拭き取りに使うCLV30は最後の仕上げもこれ1枚で対応できるのでありがたい。
洗濯して20回程度でクリーニング効果が落ちるので消耗品となる。
これは他のものでも置き換えは可能だろう。
今回はレコード1枚分での使用だが、3枚くらいは同時に余裕で拭けそうだ。
盤面はこの時点で止めたくなるほどきれいにはなった。

食器用の水切りがこれまたレコードにちょうどいいサイズだったのは幸い。
DSC01416

4.仕上げ
最後はクリアトーン(SPW01)を吹き付けて仕上げ洗浄するのがナガオカ式だ。
DSC01426
クリアトーンは洗浄+帯電防止効果がある仕上げ剤だ。

ナガオカによれば水洗いをせずにここからやっても効果はあるとのこと。
さっさと済ませたい時やノイズが少ないレコードならそれもありだ。

ここで作業台として一緒に買っておいたレコードマットを使う。
DSC01418

帯電防止処理を施したレコードマットだ。

しかし綺麗だと思ったレコードもよく見るとカビのようなものがまだ残っていた。
(洗剤でこすり洗いしても落ちないのか・・・)
DSC01419

プロテクターを載せてラベルを保護しつつ、クリアトーンを全体が濡れる程度(5プッシュほど)スプレーしてみた。
長持ちしそうなクリーナーである。
DSC01420

再度WETクリーナーで拭いていく。
やはり洗剤洗いの時と同じ要領だ。
これもだいたい片面1分ほどやってみた。

またクリーニングクロス(CLV30)を使って拭き取り。
DSC01421
カビは見事に取れた。

5.最後の仕上げ
ネット情報でも誰もがやっている、レコード針による音溝の汚れのかき出し。
DSC01422

早く終わらせるため45回転で再生する。
(78回転があればもっとよかったが)

ナガオカの洗浄力が強かったのか(オレがうまかったのか)、針先に汚れが溜まるようなことは一切なかった。
針先をスタイラスクリーナーできれいにしたら洗浄完了。

せっかく綺麗にしたんだから内袋もこのタイミングで交換するのがベストだろう。
ただし、レコードをよく乾燥させておかないとまたカビの原因となるので注意しなければ。


音質比較
少なからず効果は出ているはずだがとても不安だ。
サンプルで比較しよう。

・洗浄前
レコード針が盤面にタッチした瞬間から酷いノイズ。
イントロのボーカル歌いだし前から嫌な予感しかしない。
ユーミンが歌いだしてからもノイズはマスキングされることなく終始パチパチ。
ピアニッシモ部や曲間のノイズはさらに最悪。
これがレコードの音だと割り切れるほどオレは現代人ではない。
本当はこんなものじゃないのに・・・

洗浄前サンプル

・洗浄後
正直驚いた。
予想以上にノイズが減っている。
オレ的には「もうノイズはありません」でもいいくらいだ。
これをあの頃のオーディオ小僧に聴かせたら泣いて喜ぶことだろう。
レコード洗浄に対するトラウマが吹き飛ぶどころか、ノイズの無くなった「昨晩お会いしましょう」を聴くなりすぐに当時にタイムスリップしたかのような錯覚を覚えた。

洗浄後サンプル


まとめ
正直、ここまで効果があると今までやらなかったことを後悔するほどのレベルだ。
実際やってみて、思ったより簡単で早い。
何より初期投資が少なく、ランニングコストも抜群だ。
そして、オレがもっともナガオカ式に惹かれたのは工程が少なく、また各工程で使用する洗いと拭き取りをひとつのアイテムで兼用できること。
準備する道具・工程が最小限であり値段も安い。
もうナガオカには感謝しかない。
何万円もするクリーニングマシンの効果は知らないが、費用対効果を考えればオレはもうこれで十分。
もうナガオカ式だけで生涯やっていこうとさえ思う。

これでもう中古レコードを恐れることはなくなった。


オーディオ小僧 マイベスト作成時の時間計算

ダビングの流儀の記事を書いていてふとこんなことを思い出してしまった。

かつてオーディオ小僧はマイベストのカセットを作成する際、その時間計算にある方法を用いた。

DSC01289
聖子の季節しばりベスト(自己編集)

どこで知ったか思い出せないが、それは電卓を使う時間計算法だった。
(当時はオレの周りは結構やっていたような気がする)
DSC01273

思えばCDプレーヤーであればプログラム選曲機能で曲を適当に選ぶことで自動で時間が積算されていったのでとても楽だった。

しかし、レコードともなれば話が違う。
複数のシングルやアルバムから好きな曲をピックアップし、カセットの収録時間に合うようあらかじめ計算した上で構成を決定するのだ。
こうすることでテープを無駄にすることなく、曲が終わると同時にテープエンドを迎えるというダビングの美学まで成立するのだ。

これは入念な準備が必要だ。
(アルバム1枚のダビングの方がよほど楽)

まずは適当な曲をピックアップし、それぞれの曲の演奏時間を書き出しておく。

もちろん希望する曲の流れは当然あるので、一度適当に曲を並べてみる。

次に時間計算に移るがそうそう綺麗にはいるはずもない。

例えば90分テープなら片面45分。

計算してA面47分でB面43分ならそれぞれ45分となるよう均していくのだ。
最初はA面曲とB面曲を入れ替えてみる。
それでもダメなら他の候補曲と差し替えなければならない。

何度もやり直すので効率的かつ正確な時間の計算が必要だったということだ。

では、どうやって時間を計算していたのか実際にやってみることにしよう。
DSC01295

電卓への入力方法
例えば、3分52秒の曲なら
30052
と入力する。

それぞれの意味は以下。
3 0      0       52
↓   ↓        ↓        ↓
分 分秒の仕切り 秒の積算エリア  秒

分と秒の間に0を2ついれるのが肝になる。
(意味は後述)
秒は積算され、百の位の0へと桁が移行していくという仕組み。

この方法で積算した時間が例えば、
180321
という結果なら、

321を60で割るイメージで、あとは九九(暗算)の6の段を用いて300に近い数値を導き出す。
6(0)✖=30(0)
これくらいの暗算ならは誰でもできる。
300秒は5分。

あとは割り切れなかった分の21がそのまま秒なので
5分21秒となる。

これにもともとある分18を足すと
23分21秒になるというわけだ。

では実際に適当な時間でやってみる。
3:50
DSC01274


4:15
DSC01276


DSC01277

3:45
DSC01278


DSC01279

3:38
DSC01280


DSC01281

4:01
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DSC01283

170149なので、
百の位の秒「149」は2分29秒と即座に暗算できる。
あとは17分を足して19分29秒といったぐあいだ。

真ん中に0を二つ入れるのは分と秒との分界点積算時の秒の余力のためと先に述べたが、実際これでよい根拠を考えてみる。

通常のカセットへの録音は長くても90分テープに留めると思う。
DSC01285
※SONY Metal-ES(初代)

90分以上のテープはテープが薄くなりすぎて機械に巻き込む可能性が高くなるため、音楽用には推奨されていないのが一般的に知られるところ。
(実際オレは120分テープはほとんど持っていないし録音に使ったこともない)

つまり片面45分が最長とする。

通常の曲の長さを3~4分程度と想定して、短めの3分としても45分なら15曲入る。
その15曲の秒部分が全て59秒と仮定して(ありえないが)
59×15=885

つまり秒の部分が
999
を超えることはまずまずないということになる。
よって分の横の0は最後まで分と秒の分界点として機能し続けるので互いに干渉しないということだ。


こうした緻密な計算の元、作成されたマイベストはまさにオリジナリティ溢れる貴重な一枚となる。

しかし1枚のアルバムより寄せ集めのほうが、ダビングの流儀のダビング編で述べた録音レベルの設定にまでこだわるとそれこそ面倒なことになる。

アルバムよりシングルの方が音が大きいので1枚ごとにレベル調整が必要なのだ。
(レコードが違えば録音レベルも変わってくる、まぁこれはCDでも同じことがいえるが)

もし今、ベストをレコードから作るならどう計算するだろう。

時間計算のアプリでもっと楽に計算できるんだろう。

ふと思い出した時間計算、かつてのダビングの作法のひとつである。
DSC01290


余談

電卓ときて、ふと思い出したことがある。

71011345
これを電卓にいれて、
DSC01286

逆さまにすると
DSC01287

ShEll OIL(シェル オイル)

これを友人に見せてドヤ顔をしたオーディオ小僧が目に浮かんだ。

360 Reality Audio を聴く

かねてよりソニーからアナウンスされていた、360 Reality Audio(スリーシックスティ・リアリティオーディオ)について、いよいよサービスが開始されるようなので早速試聴してみた。
(2021/3現在はデモ音源しかないが)
無題

360 Reality Audioはいってみれば音楽用サラウンドフォーマットのようなものと考えればわかりやすいだろう。

音源はストリーミング配信により提供されるので現代のスタイルから大きく変わるものではない。
(今後はデータダウンロードで購入できるようにもなるのか?)

ただし、音源があればそれでいいかというとそういうわけではない。

当然環境を整えなければ聴くことはできない。

とはいっても、その環境はすでにスマホやアンドロイドウォークマン等で音楽を聴いている人であればもうゴール手前。

つまり既存の環境で誰もが聴ける新フォーマットということなのだ。

オレはとりあえず手持ちのスマホとヘッドホンだけで30分ほどの設定の後、試聴までこぎつけた。

今回は試聴までの手順とその他所感をまとめておくことにした。


必要な環境
・スマホとヘッドホン(イヤホン)
初期投資なく、一番手軽な方法なのですぐに始められる。
スマホはアンドロイド端末を使用。
(アップルがアプリに対応しているかは不明)
ヘッドホンは基本的に制限はなく、使用するアプリ次第。
ソニー提供のアプリだとソニー製のいくつかの指定ヘッドホンを選択することでさらに最適化された音を聴くことができるようだ。
より臨場感を出したいならカナル型イヤホンのようなインイヤータイプでなくオーバーヘッドタイプのほうがよりよさそうだ。

・スマホと専用スピーカー
スマホまでは同じだが音出しの手段として専用スピーカーも用意されている。
スマホからスピーカーは当然ワイヤレスである。
現時点ではAmazonのスマートスピーカーかSONYの対応スピーカーでなければ再生不可。
今後は技術提携した他メーカーの製品も期待できるだろう。
試聴していないのでなんとも言えないが、そもそもヘッドホンと同等のサウンドステージが再現できるか疑問だ。


360 Reality Audio仕様
音声フォーマット:MPEG-H 3D Audio
サンプリング:24bit/48kHz
ストリーミングビットレート:1.5Mbps

仕様を見る限りストリーミングでもハイレゾ相当の音質で提供されるようだ。
さらなるハイレゾ化はストリーミングでは頭打ちしそうだが、ダウンロードであればより高音質化することも可能だろう。


聴くまでの手順
360 Reality Audioを聴くまでの手順。
(かなり簡略化)
手順はかなりシンプルであるが設定は少しだけ面倒だ。

1.アプリのダウンロード
グーグルストアでSony Headphones Connectアプリをダウンロード。

2.諸設定
ソニーアプリでは自分の耳の写真を撮影してサーバーに送る。
これでより個人に最適な設定ができるらしい。
この間、メールにリンクがきたり、ログインしたりと面倒な手続きがある。
ログインが完了するとすぐに設定に移れる。
ソニー製ヘッドホン(イヤホン)を持っているならメニューで自分のヘッドホンを登録すれば、さらに最適な設定がなされるらしい。
オレはメニューの中にいくつか該当があったが今回はMDR-1Aを選択した。
このアプリ自体は設定のためのアプリ。

3.再生アプリのダウンロード
360 Reality Audioの音源は特定のストリーミング会社のどれかのアプリをダウロードする。
オレはとりあえずArtist Connectionをダウンロードした。

これでもう聴く準備は完了


360 Reality Audio以前に
例えばこれを単なるサラウンドと捉えるとなるとオレは1990年代からヤマハのサラウンドプロセッサーで5.1ch以上を聴いていたわけで、臨場感という観点だけでは目新しいものでもない。
(最高で7.1まで頑張ったがケーブルの引き回しは大変だった)
一般家庭でサラウンド環境を構築している人は少ないだろうが、映画館では誰もが気軽に体験できるのでそう考えれば腰を抜かすほど驚くことではない。

ただ、360 Reality Audioのすごいところはそれをひとつのヘッドホンだけで再現できるところだ。

つまり2chということ。
ドルビーサラウンドのシステムを構築するのにどれだけのお金と手間がかかるかということを考えれば初期投資ゼロで同等のサラウンドを実現できるのは画期的技術だ。
ヘッドホンひとつという話なら、すでにソニーはデジタルサラウンドヘッドホンシステム「MDR-MDR-HW700DS」というものがある。
オレはこれにテレビやプレステをつないで普段から映画・ドラマ・アニメ・ライブ等を見ている。
これは9.1ch相当のサラウンドの再現性があり、ドルビーサラウンドの各種フォーマットに対応している。
その効果はサラウンドバー1本よりははるかにましであるが、本格的なものには敵わない。


再生音について
音は360という名の通り、音場は実際のホールにいるかのような臨場感がある。
これは仮想球体空間に24のオプジェクトを配置し臨場感を再現しているそうだ。
どう解釈すればいいのかわからないが、例えば自分の部屋に24個のスピーカーを配置してそれぞれが独立した音をだしているようなイメージだろうか。

さて、試聴してみて思ったのは確かに臨場感はすごいと思う。
デジタルサラウンドヘッドホンシステム「MDR-MDR-HW700DS」と比べても段違いの臨場感。
これが普通のヘッドホンの音と思うと、これまで音場が広いといわれていたヘッドホンの立場もなくなるだろう。
音源はデモであったため、360 Reality Audioの凄さを見せつけるような演出がされている。
映像とリンクして、試聴ポイントが移動していく。
最初はボーカル。
これだけでもライブのような臨場感、続いて離れた各楽器やコーラスへ視点が移動していくとそれらの音が徐々に近づきボーカルは遠ざかる。
アトラクション的な感じで面白い。
とにかく360 Reality Audioの実力はわかった。
では、実際のリリース版はどうなるのかという話だ。
いくら臨場感を出すためとはいえ、ボーカルが横や後ろにいって遠くに聴こえるようでは落ち着いて聴けたもんじゃない。
では、リスニングポイントは固定でボーカル・楽器の配置をより明確にするのか?
それでもステレオより格段に臨場感があるがメリットを最大限に生かしているとはいえない。

そうなるとコンテンツ作りがどうなるのか気になる。
どちらかというとライブ向けにはちょうどいい。
そもそも最近の音楽はそもそもステレオ感なく音場が狭くつまらない。
(ほぼモノラル)
打ち込みばかりで本来音源は一点なのをステレオにミックスしているわけだ。
(生楽器の演奏でない場合)
これをリミックスするのかという話だ。
1990年代以前の音源であれば面白くなりそうだ。
そういう意味では360 Reality Audioはこれまでの音源と同等に扱うのは多少無理があるのかもしれない。
ちょっとライブっぽい音で聴いてみたいと思った時に時々聴いてみる、そんな感じか。
到底360 Reality Audio 1本で新譜をリリースするアーティスト等いないと思うので、通常版と360 Reality Audio版のような売り方をするのではと推測。
そう考えると確かにストリーミングオンリーのほうが理に適うような気がしてきた。


コンテンツの提供形式について
思ったのは360 Reality Audioを音楽専用フォーマットとするのは若干もったいない。
なにしろ普通のヘッドホンでサラウンド環境が実現できるとなれば、どうしても映画やドラマ・ゲーム等の映像も、と欲がでてしまう。
手始めは音楽ライブ映像と組み合わせてということになるだろう。
あとは例えばプレイステーションVRのコンテンツとして音楽ライブ会場を自由に移動してリスニングポイントを選べるなんてのも面白い。
プレイステーション5は3Dオーディオに対応とあるが、これが360 Reality Audioを指しているかはわからない。


今後の展望
個人的には360 Reality Audioをどのようなスタイルで聴くべきか、どう扱っていくかが課題だ。
つまり、スマホ・PCから出力してヘッドホンまたは専用スピーカーにとどめたスタイルだけでいくか。
オーディオメーカーがアンプやDAコンバーターにデコーダーを内蔵してオーディオ的にも展開していくのなら、より高音質で聴けるオーディオマニアも夢中になれる余地はある。
現実的にはヘッドホンのみが一般的となりそうだが、オーディオマニア的に考えると360 Reality Audioも自身のハイレゾ再生オーディオシステムの中に組み込みたくもなる。
ただし、ネックとなるのは専用スピーカーが必要となる部分だ。
仮に既存のシステムに組み込んだところで専用スピーカーとなると結局このために別のシステム構築が必要となるわけなので既存のシステムとの親和性を計ることは厳しい。
試聴はしていないがこの専用スピーカーによる音場再現がヘッドホンで聴いたような臨場感が出せるとは到底思えない。
複数のスピーカーを360度上下に配置したとしても、音の出どころは1か所の点音源。
これはサラウンドバーで体験済みだが本格的な多チャンネルスピーカーによる臨場感には到底かなわない。
となれば、AVアンプにデコーダーを内蔵させ、5chに最適化して再生したほうが現実的。
または、逆にもともと2chなのだからスピーカー2本を正面でなく横(耳の水平方向)へ配置し、360 Reality Audio専用スピーカーとはならないだろうか?
ヘッドホンでできるならそれがスピーカーに代わるだけ。
ヤマハのホームシアタースピーカー配置でいうならSRとSLを360 Reality Audio専用とするのだ。


懸念点
360 Reality Audioはソニー主導の技術だ。
つまりソニー独占とあればコンテンツは限られてくる。
もちろんソニーに賛同してソニーミュージック以外の企業が参入するのなら全く問題ない。
それより心配しているのは他社でさらに別のフォーマットが出てくる場合だ。
こうなるともう混沌としてくるのは過去の数々のフォーマット戦争で経験済み。
フォーマットの乱立はユーザーがとまどい、普及の足止めにもなりかねない。


今後の展開が楽しみなものが出てきた。

オーディオ小僧 ダビングの流儀(番外編)

今回の一連のダビング再現は音質的には少々残念な結果となった。

久々で感が鈍ったというより、遊びのダビングで油断したといっておこう。
考えてみれば大切な録音を真剣にやったのかというとそうでもない。
(マスターのレコードを持っているのだから)
当時の流儀を思い起こすことに集中するあまり、各工程での油断がそのまま形となってしまった。

特に近年は再生するだけが目的だったレコードプレーヤーの調整は見直さねばならない。

いずれにしてもオーディオマニア的には遊びであっても納得はいかない。

まぁそれも含めてひとつの思い出になるわけだが、いずれ何かしらのリベンジをしなければ気が済まないというのが正直なところ。

そういうわけで今回はAKAI GX-7でダビングしたがダビング後となってはもうどうすることもできない。

しかし、せめて他のカセットデッキでも再生して聴き比べてみることにした。

聴き比べはAKAI GX-7に加えてパイオニア T-D7とナカミチ CR-70だ。
DSC01246

かつて、このT-D7とCR-70の再生能力については記事にしたことがあった。
昔録ったカセットテープをいい音で聴きたい

これがあれば失敗ダビングでも多少はましになるのではと考えたのだ。

今回試聴するのはもちろん「ダビングの流儀」で作成したカセットテープ。

松田聖子「Canary」
ソース:LPレコード
録音年月日:2021年3月5日
カセットテープ:TDK AD(Normal)
録音カセットデッキ:AKAI GX-7
ノイズリダクション:OFF
デジタル化PCMレコーダー:SONY PCM-A10(リニアPCM 44.1kHz 16bit)

それでは機種別に聴き比べてみよう。

AKAI GX-7
まずは試聴機の中では最も古い機種となるGX-7だが、自己録再最強説ということで当然試聴してみる。
DSC01250

率直な感想はGX-7の音はよくも悪くも録音した音をそのままダイレクトに伝えるデッキだ。
エネルギー感があるが古いせいかデッキ由来のノイズ成分も多いようにも感じた。
録音品質が良くなければそれがそのまま強調されているようにさえ聴こえる。
レコードのパチパチやトレースノイズ、テープのヒスノイズも盛大だ。
終始ノイズっぽい音なのでぜんぜん音楽に集中できないというのはオーディオマニアの悲しい性か。
もちろん録音がよくないのが一番の原因であるが、あまりにダイレクトすぎる再生音はまだ熟成前のカセットデッキの音という印象だ。

サンプル
Private School
LET'S BOYHUNT

【気になった部分】
・カセットテープのドロップアウト個所が散見される
→これが一番気になる。音がかすれる部分が多く、このカセットテープは大切な録音に使えるレベルではなかった。

・ボーカルのサ行がサチっている
→強い「サシスセソ」の部分で「ザッ」とノイズっぽくなってしまうのがかなり気になる。

・テープヒスが目立つ
→これにレコードのトレースノイズとカセットデッキ由来のものも合成されて常にザワザワしている。

・ボーカルがややうるさい
→この年代のAD特有の音であろうが高低音とのバランスが若干悪く感じる。


以下、この気になる部分がカセットデッキを変えるとどうなるか試してみる。


PIONEER T-D7
T-D7は光入力も備えるデジタルプロセシングカセットデッキだ。
※このデッキの詳細は前述の記事リンク参照
DSC01251

GX-7で気になっていた部分は多少軽減される。
まずい録音ほどこのデッキの補正の効果は大きい。
特に気になっていたテープのヒスノイズ、レコードのパチパチ、トレースノイズはデジタルNRの効果により大幅に軽減し、3機種中最も音楽に集中できる音だ。
デジタルNR特有の効果を最も実感できるのはレコードの「パチッ」が「プシュッ」と角が取れて聴こえること。
ノイズのみに着目すればスピーカーからだとほとんど認識できないレベルだ。
ただし、ピアニッシモ部分や曲終わりのフェードアウト部分では音がこもりがちでレベル変動もあるのは強力なデジタルNRの弊害だ。
そこを除けば、もう少し欲しかった高域はFLEXシステムの効果で元録音より鮮やかになり、ボーカルばかり前に出ていた音のバランスがよくなった感じだ。
ノイズが軽減された(静寂性が増した)ことで逆にテープのドロップアウトは目立つようになった。
録音さえよければ、カセットテープであることを忘れさせるほどの静寂性となるのはすでに実証済みだ。
ただし厳密に言うと、これら補正システムを使うことで音場に奥行きがややなくなり、不自然さが伴うのも確か。
言い換えれば本来のカセットに録音された音をずいぶんといじった作り物感がある。
カセットはADのはずなのだが、ウォームなはずの音は良くも悪くもキレッキレの音になる。
気軽に聴く分にはこのカセットデッキほどぴったりなものはないだろう。
とにかく持っていてよかったと思えるカセットデッキだ。
しかも使用頻度が少ないにも関わらず、未だ故障知らずなのも驚きだ。
(当時秋葉原で店員が勧めたSONY TC-KA3ESを振り切って買っておいてよかった)
中古でも入手しやすく、年式も比較的高いのでカセットデッキの初心者に1台勧めるならこれになるだろう。

サンプル
Private School
LET'S BOYHUNT


Nakamichi CR-70
CR-70はナカミチの数あるカセットデッキの中でも人気・実力ともに高い高級機だ。
※このデッキの詳細は前述の記事リンク参照
DSC01256

今回最も驚いたのはCR-70。
やはりこれは次元が違う。
といっても音が激変するわけではない。
テープヒスが多いと思っていたのになぜかナカミチだとそれがあまり気にならない。
失敗した「サシスセソ」でサチっていた部分もほんの少しだけ軽減。
ノイズが減ったと感じたのはやはりGX-7は回路からくるノイズも少なからずあったということだ。
何より3機種中もっとも音楽的に聴かせるのが素晴らしい。
GX-7で聴く音が本来の音のはずが、それよりもいい方向で再生できるとなると自己録再至上主義も揺らいでしまうというものだ。
T-D7のように補正機能は一切なく、やったのはアジマス調整のみ。
(これもさほどいじっていないが)
T-D7の再生音でも満足できていたがこれはやはり次元が違う。
(CR-70は若干回転に不安定さが出てきたようだ、そろそろメンテの時期かもしれない)

サンプル
Private School
LET'S BOYHUNT

さて、比較試聴してみて音の変化の大きさには改めて驚いた。
サンプルの音ではその違いがわかりにくいが実際は誰もが気づくであろうほどの違いだった。
ただし、録音の悪さを完全にカバーできるわけもなく、多少はましになる感じ。
T-D7とCR-70は、録音さえもっとよければかなりの音を聴かせるだけに少し酷な注文だった。

改めてアナログ録音の難しさと面白さが確認できただけでもやった価値はある。

それにしても、こんなことはもうやらないと言っておきながらどうにもリベンジしたくてしょうがない。
何よりお気に入りのAKAI GX-7の面目躍如を果たさねばならないだろう。


そして最後の最後で気になってしまったのは、

では当時のオーディオ小僧のダビングの音は実際どうだったのか

ということだ。

そこで当時オーディオ小僧が実際に録音したカセットも聴いてみることにした。

選択したのは3本のカセットテープ。
DSC01263


全部が少しだけ昭和63年が存在した平成元年(1988)の録音だ。
今年(2021年)から見て33年前も前にオーディオ小僧がダビングしたものだが、カセットテープの劣化が一番の懸念点だ。
この時、レコードから決別するために手持ちのレコードを一気にダビングし、その後レコードを全部売ったのだ。

試聴対象の選定条件は、
・レコードから録音したもの
・ノイズリダクションはOFF
でピックアップ。

せっかくなのでノーマル、ハイポジ、メタルをそれぞれ選んでみた。

参考までに当時録音したシステムを。
レコードプレーヤー:YAMAHA YP-700C
カートリッジ:ピカリングのVM型(確かDJ用だった気がするが型名は忘れた)
フォノイコライザー:SANSUI AU-D707X Decadeの内臓でMM
カセットデッキ:AKAI HX-R44

そして今回再生に使ったのはナカミチ CR-70。
サンプルはソニー PCM-A10のリニアPCM(16bit/44.1kHz)でデジタル化。

1.中森明菜「VARIATION」
カセットはTDKのAD-Sでノーマル。
つまり今回録音に使ったADと同等のテープでハーフ違いのものだ。
音質傾向は同じはずである。
クリアなハーフは当時衝撃を受けたものだ。
DSC01262

Sample

まず第一印象はノーマルでも十分だと思ってしまった。
なんとも元気な音でイントロからやられてしまった。
ただし、音が大きい部分で常に飽和しており、歪が確認できるが、サ行がサチっているわけではない。
このことから当時のレコードプレーヤーのセッティングは決まっていたが単純に録音レベルがこのカセットには高すぎたようだ。
(とても惜しい)
無音部のテープヒスノイズは相変わらず大きいとはいえ、曲が始まれば気にならないし同じADテープなのにノイズが少なく録音できている。
レコードのコンディションもよかったようだ。
ドロップアウトはほとんど確認できない。
音質傾向はやはりAD同様ボーカルがよく出ているがそれほどクドく感じない。
初期の明菜ならAD-Sでも十分だったようだ。

2.麗美「“R"」
カセットはmaxellのXLⅡ-Sの3代目でハイポジ。
2代目の前モデルと音質傾向は似ているがよりクリアな音になった。
このモデルチェンジでハイポジ、メタルはこの真っ黒ハーフになったがオレはこのデザインが好きでない。
(手触りは最高なのだが)
DSC01261

Sample

XLⅡ-Sは癖のないやや控えめな音で全体に落ち着いた印象を受ける。
イントロこそおとなしいな、と思ったのだがサビの麗美の強烈なハイトーン部分ではダイナミックな音を聴かせてくれる。
(それでもレコードのほうがもっとダイナミックなのだが一歩及ばず)
さすがハイポジだけあって、ノイズの少なさはADの上をいっている。
高域も出ているとはいえ、同年代のTDKやSONYのハイポジに一歩譲るというところ。
そもそもマクセルの音は原音を大きく変えるような味付けはされていないように思う。
良く言えばモニター的であるが面白みという意味では物足りないかもしれない。
低域もしっかり出ているのでバランス自体とてもいい。


3.松任谷由実「VOYAGER」
カセットはTDKのMA-Xの2代目でメタル。
同年代のMA-XGと同等のテープだ。
メタルの風格を感じさせるブラックハーフに金文字、ラージハブ、広窓デザインもいい音を予感させるものだ。
DSC01260

Sample

さすがにメタル。
オレはマクセル派ではあるが音はTDKが一番好きだ。
どんなジャンルでもソツなくこなす優等生といったところ。
このアルバムはさんざん聴いてきたが、確かにレコードのもつニュアンスは十分再現できている。
間奏のエレキギターのエネルギー感は強烈かつ破綻しないところが素晴らしい。


ざっと聴き比べてみて思ったのはオーディオ小僧の録音は今回のダビングよりノイズが少なめだ。
テープヒス、トレースノイズはもちろんあるが曲が始まればそれを邪魔するほどのものではない。
ノーマルではやや歪も多少あったがサ行がサチる部分はほぼなかった。
何よりカセットの音が未だ衰えを感じさせなかったのは凄い。
懸念していたドロップアウトはほとんど確認できなかった。
ただし、やはりというか録音レベルの高さと経年劣化により、曲間の無音部分で転写が発生している部分があった。

元オーディオ小僧としては余裕で当時と同じレベルでダビングくらいできると思っていたのだが、現役のオーディオ小僧には敵わなかったのが悔しいところ。
(自分と張り合うなという話だが)
レコードからのダビングは劣化要素が多く、難しいものがあるが、オーディオ小僧が当時CDから録音したものに限っては全て合格だ。


さて、この「ダビングの流儀」を記録として残したかったのは、かつてのダビングのお作法を忘れないためであったが、よくよく考えるとダビングしたのはカセットテープだけではない。
オーディオ小僧はカセットの次は「DAT」、その次は「MD」へとダビング先のメディアを変えている。
それらメディアも当然のことながら現在も全て手元に残っている。

となれば、それらの流儀も記録しておく必要がありそうだ。

今後はDAT編、MD編、DCC編(ついで)もやってみよう。
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