CR-70のの動作確認も兼ねてアジマス調整機能の詳細を。

このついでに放置状態だったケンウッド、テクニクス、ヤマハ等も動作確認したのだが電源入るも再生不良。
なかでもナカミチ ドラゴンが再生できなくなったのはかなりショックだ。
機械というものは時々でも使うことがメンテのひとつなのだと今更実感。
古いものを維持していくのは愛情が必要だ。

機器が多くなるほどメンテも大変になるが、どこかの記事でオーディオタイマーをセットして
複数のカセットデッキを毎日定時に電源入れて動かす方法があることを知った。
なるほど、カセットデッキはもともとFMのエアチェック目的の用途からタイマーと連動する機構がある。
それを利用しての一斉メンテとは頭がいいやつがいるものだ。

とりあえず所有している以上は1台ずつ修理していくしかない。

今回はなぜか壊れないCR-70を使って久しぶりに音を聴いてみた。

ナカミチの音は一度聴けば他とは次元が違うと言い切れるほど。

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ナカミチデッキ全般に言えるが、特筆すべきは録音性能はもちろん、再生音の素晴らしさだろう。

ドラゴンがオートアジマスであるのに対し、CR-70はマニュアルでのプレイバックアジマスが調整ができる。

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↑このつまみを回すと・・・

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赤矢印を中心にヘッドの角度が変化することで再生音を調整することができる。

つまみ回すとギーギーと小さな音がして動いてるようだ。
再生しながら動かすと連動して音が変わるのがわかる。

プレイバックアジマス調整の目的は録音時のデッキの録音ヘッドと同等の状態に本機の再生ヘッド角度を調整すること。
わずかではあるがデッキが変わればヘッドの角度も微妙に違うことは周知の事実。
録音したデッキで再生する分には問題ないが、他のデッキで再生すると酷い時は高域がこもったような音で再生されることがある。
聴感上、明らかに高域が出ていなければ、まずアジマスが合っていないことを疑う。
実際は綺麗に高域が録音されているかもしれないので、その状態にヘッドを調整すれば録音したデッキと同等の再生音が聴けるはず、というわけだ

従って、この調整機構では本機で対象のカセットテープを再生しつつ、自分の耳で一番高域が出ていると思った場所がベストポイントと判断する。
ちなみにナカミチ ドラゴンはこれをデッキが自動でやってくれる。

他のデッキで録音したテープも、これで調整すれば録音したデッキと同等のヘッド角度にできる。

別記事で昔録ったテープを再生するという内容でパイオニアのデジタルプロセシングデッキ T-D7について
書いたが、T-D7はデジタル技術で補正しており、あれはあれで凄いのだが、やはりこっちが正攻法。

とりあえず各種動作確認がてら、昔録ったカセットを再生。

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AXIAのXD-Master。メタルポジション。

AXIAテープの音質傾向は全般に角がとれたマイルドな音で録音できた。
しかし、このMasterシリーズはメリハリある音で録音できた。
AXIAの当時最高峰にふさわしい音だ。
当時所有していたAKAIの2ヘッドデッキはキャリブレーションできなかったので、テープの音質傾向を
モロに受けていた。
従って、ソニー・AXIAは自分の中では自分のデッキとは相性が悪いテープとなっていた。
AKAIデッキのリファレンステープはTDKとmaxellで全くその通りの結果だった。

このカセットに録っていたのは、稲垣潤一のアルバムの中でもオレが一番好きな「PERSONALLY」。
好きなアルバムはちょっといいカセットで録るのが、当時の流儀でもある。

稲垣のほとんどのアルバムはカセットに録音していが、だいたいマクセルのXLⅠ(Normal)で録ってた。
たぶん当時これが安くてそこそこいい音だったからだと思う。
しかし、いつの間にか残ってたのはこれだけになっていた。

というわけで、CR-70で再生。

ノイズリダクションはCでCDから録っていた。
CDは曲間ノイズがないのでそれを生かすべく、CDからの録音だけはCタイプを多様していた。(レコードはOFF)
デッキはAKAIのHX-R44とインデックスへ書き込んでいる。
録音時の記録は必須である。
面倒でも最低限NRのON/OFFくらいは記録しておくべきだ。

90年代はAKAI(A&Dではない)のGX-93、GX-R70を所有していた頃もあった。
80年代に憧れていたのはGX-7、GX-R99。
GXヘッドは摩耗に強いと言われていた。
でもA&D時代のぶ厚いやつもちょっと欲しかった。

で、再生してみる。

リーダーテープを通過後もほぼテープヒスなし、さすがCタイプ。

再生が始まり、とりあえずアジマスつまみを回してみる。

何度もAKAI2ヘッド時代に録ったカセットを再生してみたが、ほとんどつまみはいじらずセンターで問題ないようだ。

再生音はCタイプで録っていたことに若干の不安があったものの、全く問題なし。
NRで録音するのは本来シビアな設定が必要なので。

ソニー TC-KA7ESとの違いは、ウォークマンで例えるなら、5mWのウォークマンと30mWのウォークマンで
聴き比べた感じに似ている。
ヘッドホンによる試聴であるがナカミチの音は太く力がある。
ナカミチで再生すれば録音時のデッキ以上の音で再生できるのではとさえ思ってしまう。
ナカミチサウンドは聴くたびにいつまでも聴いていたいと思ってしまう。

デジタルに疲れた時はナカミチで極上のアナログに浸るのもいい。