2017年3月 通勤時のウォークマン用としてシュア535から交換。
 
ソニー XBA-N3
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購入の経緯

オレはソニーばかだが、実はソニーのカナル型イヤホンを使うのはこれが初めてだ。
ここ10年以上はずーっとシュアを愛用してきた。
 
シュアが気に入っていたのは、まず一番に抜群な音漏れのなさ。
これはどのモデルにも共通することだ。
電車で隣に座っている人にもかなりの音量でも気づかれない。
隣は距離にすれば40~50センチというところか。
さらに外音遮音性も抜群!
歩いてるときは注意が必要だ。
 
音質については、シュアはモニター傾向なのでクセがなく、解像度が高いので申し分なし。
最初は安価なシュアから使い始め、じょじょにグレードアップしながら数回買い替えた。
最終的には、初めてリケーブルできる535スペシャルエディションとなった。
それまでのシュアは全て使い捨てだったが。

これまで使ってきた535だが今回3回目の断線。

 純正→オヤイデ→ONSO→断線・・・

リケーブルすればずっと使えるというのは画期的だった。
オヤイデの音は純正と大きく変わることもなく、少なくとも純正より劣ることはなかった。
ONSOは変えた直後は、オヤイデよりおとなしめで、音量も少し下がったのがわかった。
まぁ、それも交換直後に思うことであって、使ってればどうでもよくなるのだが。
ONSOはデザインが気に入ってただけに、オヤイデより断線が早かったのはちょっと残念だった。
 
ところで、もうLRの表示が消えるほど535は使い倒した。

535がほんとに壊れるまで使いたくなかったこともあり、新しいイヤホンの検討を始めた。
 
535の上位も検討はしたがあまりに高い。
通勤用に使用し、落下や紛失のリスクも高いので普段使いのイヤホンとしてもう少し値段も手頃なものがほしい。

いろいろ迷うところだが、535はスペックではハイレゾ領域までカバーしておらず、そこも一応気になってはいた。
この時点でシュアにはハイレゾ対応イヤホンが無かったので今回は候補から外すことにした。

ハイレゾ音源はウォークマンに入っているが、イヤホンが対応していないなら別にハイレゾの必要もない。
ハイレゾ聴くならフル対応しなければあまり意味ないなと思うので。

ということでハイレゾ帯域をカバーしたイヤホンを探し始めた。

前からソニーのイヤホンはスペックよし、音よしっていうのはわかってたのだが、いかんせん音漏れが酷い。
とても通勤に使えるレベルではないことは新製品が出るたびに残念な思いをしていた。

通勤電車という人に迷惑をかけられない環境でも気にせず自分の満足できる音量で聴きたいので、
条件の一番は遮音で音質は二の次と決めている

というわけでソニーはどれでもぜんぜんダメと思っていたわけだ。
 
とりあえずN3は聴いたことなかったが、念のためレビュー見てみたら、音漏れが少ない?という情報が。
そもそも音はいいが音がダダ漏れなのがソニーの常だったが、N3については悪いという評価がない。

シュアが使えなくなり、急いでいたのでレビューを信じて試聴なしで賭けだが買ってみた。

そして、到着当日。

一か八かの買い物だったが、まずはレビューを疑ってのオレの厳しい音漏れチェック・・・
 
ん!?
 
まじで?
 
ソニーのくせに音漏れがない?
 
というわけで見事合格!
 
ちなみにオレの音漏れチェック方法はいたって簡単。
普段聴いてる音量より少し大きめでウォークマンから音を出してやる。
イヤホンの音の出口部分をLRそれぞれ指で軽く塞ぐ。
これだけ。
あとは、この状態でシャカシャカ音が漏れ聴こえなければまず大丈夫。

これ耳に装着した状態だと当然自分ではチェックできないので、
一度だけ友人に手伝ってもらい、この方法が耳に装着した時と
そう変わらないということを確認している。
なので一人でも十分確認可能。

そして、肝心の音質はというと、
 
シュア 535を基準としたわけだが、えらい違う!

535は3年くらい毎日使って、もう完全に音の出方は耳が覚えていて、これ以下の音ならアウト。 
535の好きなとこは、埋もれて目立たないベース音までもが気持ちよく聴けるところが好きだった。
もともと535は中高音域に定評があるモニタータイプだ。
ポテンシャルも高いのでイコライザをちょちょっといじれば大体好きな音に追い込めた。
欠点は低音が弱いことだった。
ロック聴くにはやや不満はあった。
 
N3はというと、
まず一番に驚いたのは、音場が535より広く、繊細な響きがあるということ。
535で慣れ親しんだ曲が別バージョンのようにさえ聴こえるほどの違い。

カタログで謳われていた「サウンドスペースコントロール」とはこのことか?
作りすぎてるわけでもなく、むしろ気持ちよい。

ユニットについては、535がBAオンリーに対し、N3はダイナミックドライバーとBAスーパーツィーターのハイブリッドだ。
こんなこともできるのか。
BAの多重構成に聴きなれていたが、確かにダイナミックドライバーは久々だ。
BAの数を増やして価格を吊り上げてくるイヤホンより良心的かつクレバーだ。
このハイブリッド構成はかなりいい。
 
そして特筆すべきは高域の出方の美しさ。
これは535とはまた違う繊細さだ。
 
低音はさらに驚いた。
XBAシリーズはもともと低音に定評があるのだが、地を這うような重低音。
下品ではない程度なので、出る分を抑えるのは簡単なので歓迎すべきだ。
シュアでの低音不足は大いに不満だったのでこれはうれしい。
出てない音を無理に出そうとイコライザをいじっても限界がある。
ソニーのドンシャリは半端ではないな。
535で出てなかったさらに下の低音が出せる。
オレ的にはドンシャリタイプのほうが後で調整がしやすいので扱いやすい。
 
この出すぎる低音を聴いて、ふと昔のウォークマンについてたバスブーストのことを思い出した。
あれは当時の非力なイヤホンでも気持ち悪いくらいの低音が出せていた。
N3を使えば不要な機能だ。むしろブーミーな低音になってきけたもんじゃないだろう。
バスブーストは当時の装着性の悪いインイヤータイプのイヤホンを使ってこそ生きる機能だった。
現在のカナル型イヤホンを使えばもうバスブーストは不要だ。

しかしイヤホンも性能が上がってオーバーヘッドタイプに負けないくらいまでの性能になった。

思わずいろんなことを思い出させてくれたN3であった。

ちなみに535で好きだった中音域のベースの表現は残念ながらシュアに及ばなかった。

一見ドンシャリかと思いきや、上品なドンシャリのN3。
決して悪い意味でのドンシャリじゃない。
けど、中音域のパワーは535には及ばず、イコライザ補正でごまかすしかないな。
 
まぁ、不満は残るものの、535になかったものがあまりに新鮮だった。
音作りの傾向は異なるが、535を休眠させてもいいだろうと思わされた。
535は当時5.万5千くらいで買い、N3は今回3万弱。
月日の流れでカナル型の音の進化を感じ、約半値で数年前の倍額の音に迫っている。
通勤には十分すぎるレベルだ。
 
コロコロとイヤホンを買い替えてはイヤホンスパイラルにはまってる人がいるらしい。
本質的な音の傾向はどうしようもないが、出てない音は気にせずイコライザをいじって出してみるべきだ。
素の状態のもので満足のいくイヤホンはなかなかない。
素直にオーバーヘッドを使えば簡単に解決できる。

だからこそイコライザでもガンガンいじって好きな音に変えればいい。
イコライザ等の音質調整に抵抗を感じるかもしれないが、そもそもの話、ポテンシャルがないイヤホンは
イコライザの補正についていけない。
イコライザで意のままに音が操れるポテンシャルをもつイヤホンこそ最強だ。

オレはトーンコントロールやイコライザをいじることに一切のためらいもない。
いじることでマスターテープの音が変わってしまうと心配するなら、そもそもイヤホン毎に音が違うことを
心配したほうがいい。

自分の耳を信じ、気持ちいい音が聴ければそれがベストイヤホンでありベストサウンドだ。
 
最後に、
N3の純正ケーブルは絡まりづらく扱いやすい。
断線する前にリケーブルしてとっておきたいくらいだ。
 
現状ZX2にバランス出力がないのでバランスケーブルを使うのはまだ先だ。